宝石モース硬度一覧付き/モース硬度別正しいジュエリーのお手入れ方法

貴金属には宝石をまもる役目も

一般的に、宝石の硬度なんてあまり馴染みのない事だと思います。

けれどジュエリーを持つ人になら、宝石の硬度は知っておいた方がいい情報です。なぜなら、大切な宝石を長く、綺麗に使うためには硬度別にお手入れの方法が違うからです。

それと最近では”宝石の国”を読んで興味を持った方がこのページを読んでくれている様ですね。

色々な方が読んで参考になる様に、宝石の硬度について色々な情報を分かりやすく書きました。このページの一番最後には、宝石別のモース硬度表を50音順に書きましたので、知りたい宝石の硬度を調べてお役立て下さいね。

さてさて、それでは宝石の硬度のお話しです。

目次

宝石の硬さと割れにくさは別物

ダイヤモンドはどの宝石よりも硬いとよく言われていて、すでに知っている方も多いと思います。そして、硬いけれど割れない訳ではない、ということも知っている人は少なくないかも知れません。

でも、硬さと割れやすさの違いはちゃんと区別出来ていますか?
えっ?それってどう言うこと??と思っていませんか?

その疑問の答えは、下記の動画を視ると分かりやすいです。

この動画では、8カラットのダイヤモンドをハンマーで砕くと言う、なんとももったいない事をしています。見ていて「あっ!もったいない!!」っと声が出てしまいました。。。

涼しい顔して簡単に砕いてますよね。。。

この様にダイヤモンドは瞬間的に大きな力が加わるような時には簡単に割れてしまう鉱物なのです。

ダイヤモンドは砕けないってタイトルの漫画がありましたが、実際のダイヤモンドは砕けてしまいます。

硬さと割れやすさは別物で、硬さをは硬度、割れやすさは靭性で表します。それぞれをきちんと理解してもらうために、硬度と靭性をそれぞれ別にお話しします。今回は硬度のお話しで、靭性の話はページを改めて書きますね。

宝石の硬さ(硬度)の3つの測定方法

ダイヤモンドはモース硬度で10。他の鉱物と比べて一番の硬さを持っています。

ところで、鉱物の硬さを表す尺度はモース硬度以外にもある事を知っていますか?

宝石を含む、鉱物全般の硬さを表す尺度は

  • モース硬度(Mohs scale)
  • ロシワル硬度(Rosiwal scale)
  • ヌープ硬度(Knoop scale)

の3種類があります。

この3つの尺度の違いは2点あります。

1点めは測定方法の違いです。

モース硬度は引っ掻きに対する硬さを、

ロシワル硬度は切削に対する硬さを、

そしてヌープ硬度は押し込みに対する硬さを測ります。

鉱物の中でも宝石ではモース硬度をよく使います。その理由は私の私見になりますが、測定方法の容易さと分かりやすさにあると思います。
モース硬度1〜10を測定する標準鉱物がセットになったキットさえあれば、いつでもどこでも測る事が出来るのでとても簡単ですし、硬度別に宝石やジュエリーの加工過程で取り扱いに注意すべき点があるのですが、1〜10の数字で表すので覚えやすいのです。

そして2点めの違いは、

モース硬度は相対的な尺度であるのに対して、ロシワル硬度とヌープ硬度は絶対的な尺度である事です。

モース硬度は異なる鉱物同士を擦りあい、どちらに傷が付くかで硬さの度合いを測ります。硬度7の水晶相手だと傷ついてしまい、硬度6のムーンストーンだと傷が付かない場合、6.5になります。けれども、6.5と表現されているからと言って、定規の目盛りの様にぴったりモース硬度6と7の間であるとは限りません。6よりは硬く、7よりも柔らかい事を示しているに過ぎないのです。ですから、6.5の鉱物同士でも同じ硬さでない事が多く、互いにこすり合わせればどちらかに傷が付くことはあります。

例えばジェダイト(硬玉)とスポジュメンは同じ6.5~7の硬度を持ちますが、どちらも”ムーンストーンより硬くて水晶よりは柔らかいか同じくらい”の範囲の硬度である事を表わしています。この二つの宝石をこすり合わせれば、どちらかに傷が付く事があります。

また、定規の目盛りなら1センチから2センチまでの間と2センチから3センチの間は同じく1センチですが、モース硬度の1〜10のスケールは全て一定ではありません。

この様な理由から、モース硬度は相対的尺度の測定方法なのです。

それに比べて、ロシワル硬度とヌープ硬度はどの鉱物も同じ測定法で図られ絶対的な硬度で表されています。

モース硬度の測り方

ここまで書いた様に、モース硬度は2つの鉱物同士を擦り合わせてどちらが傷つくかで測ります。

実際の測定にはキットを使います。

モース硬度測定キット
モース硬度測定キット(画像出典:Wikipedia

硬度1〜10の基準試料が入っていて、調べたい鉱物と擦り合わせて使います。

手頃な価格でネットでも売られているので、興味のある人は手に入れて自分で調べてみてください。

モース硬度で一番覚えて欲しいこと

宝石の硬度の事で、一般の人に一番知っていてほしい事。それは、硬度7についてです。

モース硬度7の標準鉱物は石英です。他の硬度は覚えなくても良いので、7は石英。それだけ覚えて下さい。

では石英の硬度がどうして大事なのでしょう。

実は、皆さんの周りに必ずある埃や塵、その中には細かい石英が多く含まれているのです。日常的にジュエリーに付く埃や塵には硬度7の石英が含まれているため、ジュエリーに使われている宝石の硬度が7より硬いか柔らかいかで気をつける事が変わってくるのです。

ジュエリーのお手入れを間違えて傷つけてしまわないで

皆さんは、ジュエリーを使い終わったらお手入れしていますか?使うたびにしている人もいれば、汚れが目立ったらやるという人もいる事でしょう。

お手入れの際には、やり方を間違えてジュエリーに傷つけてしまわない様に注意して下さい。

ジュエリーのお手入れの基本は柔らかい布で拭くことですが、硬度7より柔らかい宝石のついたジュエリーでは、普通にこすってしまうと宝石を傷つけてしまいます。石英のコンパウンド塗った布でジョリジョリと宝石をこすっている様なものですから。

では、宝石の硬度別にジュエリーのお手入れ方法をご紹介します。

正しいお手入れの方法

上記の様に、基本的にお手入れは柔らかい布で拭くですが、ひとつ注意があります。
それは、モース硬度7より低い宝石は擦るのではなく軽く埃を払う様にする事です。

柔らかい布でポンポンと表面に着いた埃を叩く様にします。カメラレンズの埃を払うのに使っているブロワーがあれば、それを使って空気圧で埃を飛ばすと良いです。

もう一つの方法は水で洗い流す事です。ボールなどにためた常温の水に手に持ったジュエリーを浸けて軽く振ります。こうする事で大抵の埃は取れます。そのあとは柔らかい布でこすらずに、包む様にして水分をとります。ただし、細かい隙間に入った水分はすぐには抜けないので、糸で繋げている真珠や琥珀のネックレスやブレスレットは水に浸けないで下さい。それ以外のジュエリーも宝石と爪の間など、細かいところに水分は残っているので、すぐにケースにしまわずに、十分に自然乾燥させてから収納して下さい。ドライヤーを当てたりしてはダメですよ!

手持ちのジュエリーの硬度がわからない!そんな時は、この記事の一番最後に50音順モース硬度一覧表作りましたのでお役立て下さい。

その他お手入れの知識

ジュエリーの中で一番傷つきやすいアイテムは手に身につけるリングです。

  • 重ねづけして隣どうしがぶつかり合う
  • ドアを開けようとしてドアノブにぶつけてしまう
  • テーブルにぶつける

など日常的に経験した事はありませんか?多分一度くらい経験があると思いますが、その時宝石は割れてしまいましたか?

多分大丈夫だったのではないでしょうか?

うっかりドアノブに宝石をぶつけてしまい、宝石を割ってしまった。そんな事が100%絶対にないとは言えませんが、ジュエリーは仕立てる時に宝石のウィークポイントを守る様に考えて作られていますから、普段の生活でぶつけたくらいで割れる事は殆どないのでどうぞ安心して下さい。

宝石を守るのは主に爪と石座です。爪や石座はカッコイイかどうかという見栄えと同時に、実用的かどうかも考えてデザインされています。

ですから、たやすく壊れてしまう作りはされていないのです。

ジュエリーデザイナーや職人は、宝石の弱点を守るための適切な細工をしています。ですからご安心を。

けれど、宝石が守られている分、貴金属は傷ついています。結婚指輪の様にいつも付けているジュエリーだとなおさらです。金属に着いた傷は普段のお手入れで取ることは出来ませんので、目立ってきたら専門店にお手入れをお願いして下さい。金属の傷を取って、こびりついた汚れも取って、新品の時の様な輝きが戻ります。購入したお店なら、初回無料などのサービスをしているところもありますので聞いてみて下さい。

貴金属には宝石をまもる役目も
貴金属には宝石をまもる役目も

50音順全宝石のモース硬度一覧表

最後に、あいうえお順にモース硬度を整理しました。ご自分のジュエリーに使われている宝石の硬度を知りたい時に便利です。宝石名は一般的によく使われている名称で書きました。例えば、コランダム系でもルビーとサファイア、ベリル系もアクアマリン、エメラルド、モルガナイトと全て書いてあります。

あ行

アイオライト 7から7.5
アパタイト 5
アズライト 3.5から4
アレキサンドライト 8.5
アクアマリン 7.5から8

エメラルド 7.5から8

オニキス 7
オパール 5.5から6.5

か行

ガーネット 6.5から7.5
カイヤナイト 4.5から7
カルサイト 3

クォーツ(水晶) 7
クリソベリル 8.5
クンツァイト 6.5から7

ゴシェナイト 7.5から8
琥珀(アンバー) 2.5

さ行

サファイア 9
サンゴ 3.5

ジェダイト(ひすい・硬玉) 6.5から7

シデライト 3.5から4.5
シリマナイト 6.5から7.5
ジルコン 7.5
真珠 3.5から4

スピネル 7.5から8
スフェーン 5から5.5
スポジュメン 6.5から7

ソーダライト 5.5から6
ゾイサイト 6から7

象牙 2.5

た行

ターコイズ 5から6
ダイオプサイド 5.5から6.5
ダイヤモンド 10
タンザナイト 6から7

トパーズ 8
トリフェイン 6.5から7
トルマリン 7から7.5

な行

ネフライト(ひすい・軟玉) 5から6

は行

ヒデナイト 6.5から7

フローライト(フルオライト) 4
プレナイト 6から6.5

べっ甲 2.5
ヘマタイト 5から6.5
ヘリオドール 7.5から8
ペリドット 6.5から7

ま行

マグネサイト 3.5から5
マラカイト 3.5から4

ムーンストーン 6から6.5

めのう(アゲート) 6.5から7

モルガナイト 7.5から8

ら行

ラピスラズリ 5から6
ラブラドライト 6から6.5

ルビー 9
レッドベリル 7.5から8

ロードクロサイト(インカローズ) 3.5から4
ロードナイト 5.5から6.5

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