12月の誕生石はターコイズ、ラピスラズリ。実はそれだけじゃない誕生石の本当の話


あなたは自分の誕生石を知っていますか?
ジュエリーの仕事をしていると「自分の誕生石が好きじゃない」という声を聞く事があります。その理由は、「地味だから」「好みじゃない」が2大理由です。

いま日本で広く知られている誕生石は、米国宝石全国組合によって1912年に制定されたものがベースになっていて、それに日本独自にサンゴとヒスイを加えて1958年に国内で発表されたものです。宝石商がマーケティングの一環として決めたものです。

では、この誕生石、何を基準に決められたのでしょうか?

現代誕生石のはじまり

誕生石の起源

現代の誕生石のはじまりはいつの事でしょうか。

誕生石を身につける習慣が初めて広まったのは18世紀のポーランドです。移住してきたユダヤ人の宝石商が仕掛け人と言われており、これが商用の誕生石の起源だと考えられています。(引用元:iStone誕生石一覧)

さらに、何が誕生石を決める根拠になったのでしょう?

最大のベストセラーである聖書(旧約聖書と新約聖書)には、石に関する記述が200カ所以上も登場します。そのうち、誕生石の起源と考えられているものが2つ存在します。旧約聖書の出エジプト記28,15-30で、ユダヤ教の高僧が着用した胸飾りが紹介されています。胸飾りには、12種類の宝石が3個ずつの4段の列をなして、縫いつけられているそうです。新約聖書のヨハネの黙示録21,18-21で、聖都エルサレムの城壁の様子が紹介されています。城壁には12の門があり、それぞれ異なる12種類の宝石で飾られていました。これらの12種類の宝石が誕生石の基となったという説が一般的です。(引用元:iStone誕生石一覧)

とあります。

歴史を見ると、18世紀のポーランドは隣国との戦争が絶えず、領土を周りの3国に分割されてしまい、国家をなくしています。そんな不安定な情勢の中で生きる人達の気持ちを想像するに、決して穏やかなものではなかったと想像できます。今も昔も人は、自分の力ではどうにもならない理不尽な事に巻き込まれ命が危険にさらされた時、神様に祈るのではないでしょうか。
そう考えると聖書に由来を持つ誕生石を受け入れやすい状況だった事は想像に難くありません。

ところで、近代の誕生石は生まれ月で区切られています。ですから丁寧に言うと「誕生月石」です。生まれた月ごとにお守りになる石がこの現代の誕生石です。
では、星座石があるのは知っていますか?星座石は生まれた日で区切られている星座ごとに決められた宝石です。だから、星座石も誕生(星座)石と言えますよね。自分の誕生石が好きではない人は星座石を調べてみてはどうでしょうか?ひょっとしたらお気に入りの石が入っているかもしれませんよ。

誕生石と星座石

星座石は誕生石よりも歴史は古く、12星座と宝石を結びつけたものは15〜17世紀のヨーロッパで形作られています。とりわけ、ルネッサンス期に裕福な市民が増えて宝石への関心が高くなった事から普及したと考えられています。(参考:指輪の文化史/浜本隆志著/白水社より)

上記参考書で紹介されている星座石を紹介します。上段は12星座の区切りによる星座石、下段には12ヶ月の区切りによる誕生石です。なお、石の名前は参考図書の記載のままにしてあります。

3月21日~4月20日 牡羊座/ルビー、紅玉髄、赤色オパール
4月 ダイヤモンド

ルビー

4月21日~5月21日 牡牛座 エメラルド、ヒスイ、淡色サファイア、淡色メノウ、薔薇石英
5月 エメラルド

薔薇石英(ローズクォーツ)

5月22日~6月21日 ふたご座 オパール、鷹の目石
6月 ムーンストーン、真珠

鷹の目石

6月22日~7月22日 蟹座 ダイヤモンド、水晶、真珠、ムーンストーン
7月 ルビー

真珠のお手入れは難しくありません
真珠

7月23日~8月22日 獅子座 シトリン、黄金琥珀、太陽石
8月 サードニクス、かんらん石

太陽石(サンストーン)

8月23日~9月22日 乙女座 オパール、鷹の目石、メノウ
9月 サファイア

オパール

9月23日~10月23日 天秤座 ヒスイ、淡色サファイア、淡色メノウ、薔薇石英
10月 オパール、トルマリン

ヒスイ

10月24日~11月22日 蠍座 オパール、ブラッドストーン、ざくろ石、アメシスト
11月 トパーズ

ブラッドストーン

11月23日~12月21日 射手座 青金石、サファイア
12月 トルコ石、ラピスラズリ

サファイア

12月22日~1月19日 山羊座 縞メノウ、モリオン、黒電気石、黒真珠、黒珊瑚
1月 ガーネット

黒真珠

1月20日~2月19日 水瓶座 トルコ石、アクアマリン、鷹の目石
2月 アメシスト

アクアマリン

2月20日~3月20日 魚座 アメシスト、オパール
3月 アクアマリン、ブラッドストーン

アメシストです
アメシスト

このように現代の誕生石と星座石では全く違う宝石が入っています。

起源をたどれば、誕生石も星座石も元々は’お守り’として誕生したものです。ですから、結局は自分が気に入った宝石があなたのお守りになる石。誕生石や星座石はあくまでも参考くらいに考えて最後は自分の直感や気分で選ぶのが一番です。

KELENは石から選ぶオーダーメイドジュエリーを一つ一つ作っています。あなたのお守りジュエリーを作りませんか?

このエントリーは下記の書籍、サイトを参考、引用させて頂きました。
指輪の文化史 浜本隆志 著 白水社
iStone 鉱物と隕石と地球深部の石の博物館

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