まるでシンデレラストーリー!ダイヤモンドが宝石の女王になるまで ブリリアントだけじゃないカットの話


発見当初は評価が低かったダイアモンド

実は、15世紀に入って研磨方法が確立されるまで、ダイアモンドは宝石の中でも低い扱いしかされてきませんでした。なぜなら、宝石の3条件を満たしていなかったからです。この3条件は

宝石の資産価値とは

に詳しく書きましたが、

1、美しい事

色が美しい事、透明度がある事など

2、耐久性を持つ事

硬度がある事、衝撃に強い事、耐火性、耐薬品性など

3、希少性がある事

産出量が少なく、入手が困難である事

の3つを言います。

instagramからお借りしたダイアモンドの原石の画像です。

お世辞にも綺麗と言えない無色透明なダイアモンドの原石は、このうち1の「美しさ」を満たしていませんでした。ですから今とは比べられない位、他の宝石と比べて扱いが低かったのです。

ですが、15世紀ごろにダイアモンドを研磨する方法が誕生する事で評価は変わってきます。人々はこの魅力の感じられない鉱物も磨く事できらりと美しく輝く事がわかり、カット技術がどんどん進化していったのです。そして今では、よく知られる58の面を持つブリリアントカットへと進化して、キラキラと輝く”宝石の王様”の座を手に入れたのです。

ダイアモンドは天然鉱物の中で最も高い屈折率を持ちます。内部に侵入した光を下に逃がしてしまう事なく、内部ですべて反射して上面から出ていくことで光り輝くブリリアントカットにたどり着くまでに、ダイヤモンドのカットは、ポイントカット、テーブルカット、ローズカット、ステップカットと進化していきます。

つまり、宝石としての評価が低かったダイアモンドが宝石の王様と呼ばれるまでの歴史は、ダイアモンドのカットの歴史に他なりません。

これはまるでシンデレラの物語のようです。

ダイアモンドのシンデレラストーリー、カットのストーリーについてお話します。

ダイアモンドのカットの歴史

ダイアモンドの研磨方法が発明されたのは15世紀ごろと言われています。

初めのうちはダイアモンド原石の表面を綺麗に磨いただけのポイントカットと呼ばれるものでした。そこから徐々に進化してブリリアントカットに至るのですが、そのカットの歴史を見ていきましょう。

ところで、、、

ダイアモンドは天然鉱物で一番硬く、ダイアモンドを磨けるのはダイアモンドだけだという事はご存知の方も多いと思います。でも疑問に思った事はありませんか?

硬いものが柔らかいものを磨くというのは分かるけれど、同じ硬さのもの同士で磨く事が出来るのはなぜ??と。

ダイアモンドでダイアモンドが磨ける訳

上記の疑問の答えはダイアモンドの結晶構造にありました。

ダイアモンドの結晶構造
ダイアモンドの結晶構造(Wikipediaより)

上のアニメーションを見るとわかりやすいのですが、ダイアモンドの結晶構造はすべての方向に同じ配列になっていないため、方向によって硬度に若干の差があるのです。

その差を利用してダイアモンドの研磨をダイアモンドでするのです。

輝くからこそダイアモンドは美しい!
輝くからこそダイアモンドは美しい!

ダイアモンドのカットの種類

ダイアモンドを使う事でダイアモンドのカットが出来る様になり、カットの種類はだんだんと複雑になっていきます。それに合わせて、より光輝く様になり、ダイアモンドの価値が飛躍的に上がりました。その変わり様はシンデレラの様です。シンデレラがどの様に美しくなっていったのか、カットの進化を順番に見てみましょう。

ポイントカット

ダイアモンドの原石の8面体をそのまま表面だけ研磨したカットです。ダイアモンドの結晶の形を生かしているので、カットというよりも、荒れた表面を綺麗に磨いたものと言った方が近いかも知れません。

ポイントカット
ポイントカット

テーブルカット

ダイアモンドカットの初期の形状で、8面体結晶原石の一つの先端を平らに削って大きな面を作り、その対称の先端を小さくキューレットにし、他の結晶面はそのまま研磨したカットです。

テーブルカット
テーブルカット

ローズカット

ファセットを持った古いダイヤモンドカット。インドが起源とされていて、ベネチア人がヨーロッパに伝えて1520年代以降に流行しました。下部が平面、上部は錐形で三角や四角の面を持ちます。ローズカットには、コモンローズカット、アントワープローズカット、オランダローズカット、ダブルローズカットなどバリエーションが豊富です。種類が増えてきたと言う事は、それだけ需要もあったという事の裏付けでもあって、ダイアモンドはこの頃になるとジュエリーに使われる宝石として広く使われてきた様です。

オランダローズカット
オランダローズカット

ステップカット

カットの基本の一つで、ファセットの面の形が四角の面で階段状に構成されたカットです。この四つ角を小さくカットしたものは、エメラルドカットとして有名です。

ステップカット
ステップカット

オールドブリリアントカット

面の数がだんだん多くなって、今のブリリアントカットに近い形になってきました。ここまで複雑になってくると、ダイアモンドの輝きは他の宝石に負けていません。ちなみに先日書いた

26カラットのダイヤモンドが生んだパラダイムシフト。ジュエリーの価値とは何か

に出てくる26カラットのダイアモンドのカットはこのオールドブリリアントカットです。現在のブリリアントカットと比べてパビリオン部(下の図の横から見た所でいうと、下の方の逆三角形の部分の事です)が深いため、輝き方が少し控えめです。

オールドブリリアントカット。パビリオンが深いのが現代のものとの大きな違い
オールドブリリアントカット。パビリオンが深いのが現代のものとの大きな違い

カットされて本来の魅力を引き出されて、きらりと輝く様は、魔法にかかって綺麗なドレスを着て舞踏会に出かけるシンデレラと重なります。宝石の王様と言われているダイアモンドですが、私は宝石の女王と呼びたいなと思います。
素敵な王子様と出会って恋に落ちる物語にとても似合うダイアモンドは、ブライダルジュエリーに好まれるのはとっても納得です。

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