フェイスブック、インスタグラムで怪しいジュエリー広告に騙されないためにこれだけは覚えておこう


最近、フェイスブックやインスタグラムのニュースフィードに流れてくるジュエリー広告が、高い割合で怪しいショップの広告でして、ジュエリー業界の端くれとしてとても心痛めています。

これらの広告は別のショップから画像をコピーしてきて作っているので一見怪しく見えず、うっかり引っかかってしまう人も出るのではないかと心配しています。

先日も、キュービックジルコニアで出来たリングをダイヤモンドとうたって販売しているサイトを複数みかけたため注意喚起の記事を書いたばかりです。

フェイスブックとインスタグラムの広告に出てくるジュエリー詐欺サイトを見破る1番簡単な方法

フェイスブックとインスタグラムの広告に出てくるジュエリー詐欺サイトを見破る1番簡単な方法

この記事では決済画面のSSL化の有無で判断するのですが、これだと商品を購入する段階までいかないと判断出来ないという手間があります。

そこで今日は、インスタグラム、フェイスブックの広告を見ただけで怪しい広告かどうか判断する方法をご紹介します。

業界人なら一瞬でわかる怪しさ

まずインスタグラムに流れてきた怪しい広告を見てください。

インスタグラム広告その1(画像は永江一石さんよりお借りしました)
インスタグラム広告その2(画像は永江一石さんよりお借りしました)
インスタグラム広告その3(画像は永江一石さんよりお借りしました)

綺麗に撮影した画像を使っているし、楽天で1位を獲得している人気店の様だから安心。そう見えますよね。

そりゃそうです。

だって、実際に楽天に出店しているジュエリーショップの画像を、そのまま全てコピーして作っているのですから。

いや、ちょっとお上品に書きましたが、わかりやすく言うと全部パクって作っているのです。

ショップが時間と労力とお金をかけて作り込んだサイトをそのまま使ってパクっているのですから、一般の人にとって全然怪しく見えなくても仕方ありません。

けれど、業界人が見たら一瞬でこれはありえない!と見破ってしまうポイントが1箇所あるのです。

そのポイントこそ、一目で怪しい広告を見破る為に見る場所です。

赤線で囲んだ所が怪しい箇所です。

この0.1カラットのダイヤモンド とプラチナのリングが10500円。

業界の人間なら、聞いた瞬間にありえない!って言います。

なぜ即答できるかと言えば、相場感があるからです。

相場感さえあれば、この画像のリングを作るのに材料費はいくらかかるか判るので、この販売価格が異常な(どんなに企業努力しても無理な)安値である事に気づくのです。

業界人でこの広告に怪しさを感じない人はいないのに、一般の人だと簡単に引っかかってしまうのは相場感がないためです。そこで、一般の人も怪しい広告に騙されない様になるためには、ジュエリーの相場感を身につけてしまうのが一番早いです。せっかく楽しみにしていたジュエリーなのに届いてがっかりする事が無いように!

ジュエリーの材料費ってどのくらいなの?

一般の人の中には知らない人も多いのだと思いますが、貴金属価格は決められていて、それも毎日変動しています。新聞を見る人なら投資情報の欄に毎日載っていますから見た事あるかもしれません。ですから「ただいま50%offセール中!」なんて事がないのが貴金属です。また、ダイヤモンドの価格も、その評価基準である4Cでほとんど決まってしまいます。

この画像のリングの材料費がだいたいどの位か計算してみましょう。

プラチナの価格は、このブログを書いている日の相場が3879円(純プラチナ1グラムあたり/田中貴金属)です。純プラチナはpt1000ですから、ジュエリーに使われるpt900に換算すると3491円です。これは単純計算した場合で、実際にジュエリーに使うためには、純プラチナを900に割る手間など人の労力もかかるので、もっと価格は上がります。

ここでは仮に、価格をキリよく3500円としましょう。

画像のリングを作るには何グラムのプラチナ900を使うのか、メーカー毎に仕上げ方が違うので多少の違いはありますが、私の工房の前例では、似た様なボリュームの女性用プラチナ900製結婚指輪で7~10グラムほど使っています。厚さを抑えて原価をなるべく抑えた作りに仕上げても5グラムは使うでしょう。5グラムとして計算すると

5グラム×3500円=17500円

このリングを作るのにかかる貴金属の材料代は17500円なんです!はい!!既に販売価格を大きく上回っていますね。

プラチナだけでこんなにかかるのに、10500円で売れるはず無いですよね?

これだけでこの広告の怪しさが分かりませんか?

この様に、貴金属の価格はだれでもネットで調べる事が出来ますので、およその材料費を知る事は可能なのです。

ここではプラチナで計算しましたが、他の貴金属でも同じ計算方法でおよその材料費はわかります。18金ならプラチナより比重が若干軽いため、上記デザインと同じリングを作るのに4グラム使うと仮定して、純金の今日の価格から計算してだいたいの価格を知る事は出来ます。

ここまでの貴金属の相場から、この広告の怪しさがわかったと思いますが、念のためダイヤモンドの価格からも見てみましょう。

実はダイヤモンドの価格は4Cの評価に基づいて、”このダイヤモンドは1カラットあたりいくら”という形で値段が決まっています。例えば1カラットあたり10万円のダイヤモンドがあったとしましょう。そのダイヤモンドの実際のカラット数が2.3カラットだったとすると、2.3カラット×10万円=23万円と価格が計算出来ます。

これと同じ評価をされた0.1カラットのダイヤの価格は

0.1×10万円=1万円と計算出来ます。

計算のために分かりいやすく1カラットあたり10万円としましたが、実際のダイヤモンドの価格は4Cの評価で様々です。ネットでダイヤモンドの価格を公表しているサイトが複数あるので検索してみました。

とあるサイトの扱うダイヤモンドで一番安いものが

0.180ct 、G 、VS2 、Goodの評価で60900円でした。

0.1カラットになおすと、33833円です。

もちろん、ダイヤモンドの質で価格は変わりますから、この金額が絶対ではありませんが、本物の0.1カラットダイヤモンドがいくら位するのか、だいたいの感覚はつかめます。

消費者の心理に漬け込む怪しいサイトに騙され無いために

この様に、広告の内容が明らかにおかしい事に気付くには相場感を持つ事が一番です。ジュエリーの材料である貴金属や宝石は価格がだいたい決まっているものなので、「業者努力でプラチナを市場価格の半額で仕入れました!」などという事は有り得ないのですから。

ここで計算したのはあくまでもジュエリーの材料費だけです。これを1つのリングに仕立てるにはデザイン、加工、流通、販売、などたくさんの手間がかかっているのです。

真っ当な商品を真っ当な価格で買う事。それが買う人にとっても、売る人にとっても大切な事です。一部の怪しいサイトのために、ジュエリーに嫌な思い出ができてしまう人が増えるの悲しいです。一人でもこの様なサイトの被害を受けてしまう人が減る事を願って書きました。みなさん、どうか氣を付けて下さいね。

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Photo by Ben Kolde on Unsplash

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