ジュエリーの修理で後悔しないために知っておくべき”失敗しないための金(ゴールド)の話”

同じ18金でも中身は違う

ジュエリーにまつわる失敗談の中でたまに聞くのが、

”修理をお願いしたら断られた”

という話です。

修理してまた着けようと思っていたのに、断られたら残念ですよね。お氣に入りのジュエリーならなおさらです。

その場にいたわけではないのでジュエリーショップとどのような話をして断られたのか分からないのですが、ジュエリーの修理を断られる理由はだいたい決まっていて、おそらく断られた理由は

リスクがあるから。

だと思います。

ジュエラーにとって、修理の仕事は新しいジュエリーを買ってもらうより利益が少ない仕事です。ですからリスクを犯してまで儲からない仕事はしたくないと言うのが本音です。

でもお気に入りのジュエリー、なんとか修理したい!そんな時に、断られずに修理してもらう一番の方法は

”買ったお店で修理してもらう”事です。

自分のお店で買ってくれたお客様のジュエリーなら喜んで修理してもらえます。

ジュエラーにとって、ジュエリーは一度買ったら長い間お客様が身につけるものなので、時間と共に修理が必要になるのは想定内です。お買い上げ後のメンテナンスもお客様へのサービスのひとつとして考えているので、断られることはありません。

KELENでもジュエリーをお渡しする時は必ず”もし何かありましたらなんなりとお申し付け下さい”とお客様に一声かけています。それはお客様に末長く愛用してもらいたいという願いと、KELENで作ったジュエリーはKELENが修理したい。他のショップに任せたくない。そう思っているからでもあります。

私が作ったジュエリーは私が一番よくわかっています。素材や加工方法やお客様のお顔、ジュエリーに込めたストーリー。全てよく知っているのは私だから、修理も私がやるのが一番綺麗に出来るのです。

さて、今日は金(ゴールド)の話なので、どうして修理は買ったお店に任せるのが一番なのか、ゴールドジュエリーに使われる金属を主題にその理由をお話します。

ジュエリーに使われる金(ゴールド)の盲点

ジュエリーに使われる金(ゴールド)は、

純度で分けると

18金、14金、10金が

色で分けると

イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドの3種類

が一般的によく使われています。

では、18金ホワイトゴールドと表示されていればどれも同じだと思っていませんか?

実は18金ホワイトゴールドと表示されていても、その中身は様々なのです。

金は、純金(24金)だと柔らか過ぎて指輪にするとグニャリと変形してしまうので、硬くするために別の金属を混ぜて金合金を作り使われています。別の金属が入っている割合で18金、14金、10金と純度の違いが出てきます。

この、金合金を作る時に金に混ぜる金属を割金(わりがね)と言いますが、この割金の種類と比率がジュエラー毎にまちまちなのです。割金が違うと色も違い、加工性も違います。そのため、割金に何を使っているのか分からないジュエリーを修理するのはリスクがあるのです。

これが、修理を断られる理由の正体です。

同じ18KWGの刻印が入っているジュエリーでも、二つの割金が全く一緒とは限らないのです。

同じ18金でも中身は違う
同じ18金でも中身は違う(画像出典: Jacek Dylag on Unsplash)

見た目では分からない金合金の割金の違い

ジュエリーに使われる金合金はたくさんあります。

18金は75%の金と25%の割金で作られますが、この割金を何にするかで出来上がる金合金の色が違ってきます。つまり、イエローゴールド、ピンクゴールド、ホワイトゴールドは割金の種類の違いが色の違いになっているんです。

イエローゴールドには主に銀が、ピンクゴールドには銅が色を出す主な割金で、ホワイトゴールドは大きく分けて、パラジウムが使われているものと、ニッケルが主に使われているものの2つがあります。前者はパラ割(ぱらわり)と呼ばれ、後者はニッケル割(にっけるわり)と呼ばれます。

 

銀、銅、パラジウム 、ニッケル以外にも割金に使われる金属があり、それぞれの割合も違います。

実はこんなに種類がある18金

 

10金、14金もあげると種類が多くすぎるので、今回は18金に絞って一覧にします。

18金は金の割合は75%で全て同じです。

残りの25%に何を使うかで色や硬さや加工特性が変わりますが、その種類はたくさんあります。以下に代表的な割合を上げますが、独自の割合で作っている工房もある事から、実際にはここには無い、もっと多くの種類があります。

イエロー・ピンク系ゴールド

  1. グリーン
    金75%:
    銀25%
    金と銀の2元金合金です。見た目かなり青い印象です。グリーンゴールドと呼ばれる18金はだいたいこの比率です。
  2. グリーン
    金75%:
    銀22%:銅3%
    1のグリーンゴールドよりも少し青みがおとなしめのグリーンゴールドです。
  3. グリーンイエロー
    金25%:銀20%:銅5%
    2のグリーンゴールドよりも銅の割合が増えて黄色っぽさが強くなります。
  4. カナリーイエロー
    金75%:銀15%:銅10%
    カナリーイエローとは青みを帯びた黄色の事で、1〜3と比べると一番黄色味が強いです。
    銀と銅の比率が
    6:4なので”ろくよんわり”と呼ばれています。2018年現在の主流はこの色です。
  5. ゴールドイエロー
    金75%:
    銀12.5%:銅12.5%
    銀と銅の比率が5:5なので”ごーごーわり”と呼ばれています。1〜4よりは赤く、これ以降のイエローゴールドよりは青みが強いです。
  6. ピンクイエロー
    金75%:銀10%:銅15%
    銀より銅の割合が増えて赤みの強いイエローゴールドです。昭和30〜50年代ごろはこの色が好んで使われていました。銀と銅の比率が4:6なので”しぶろくわり”と呼ばれます。
  7. イエローレッド
    金75%:
    銀5%:銅20%
    銀に比べて銅の割合が増え、赤みを強く感じます。
  8. レッドイエロー
    金75%:銀3%:銅22%
    赤みの強いゴールド。銅が金属間化合物を作るため加工性が悪くリングにした場合サイズ直しが出来ない。
  9. レッド
    金75%:銅25%:
    金と銅の2元金合金。8のレッドイエロー同様加工性が悪い。
  10. ホワイト
    金75%:パラジウム25%
    割がねにパラジウム だけを使ったホワイトゴールド。プラチナ並みに高いのでこの金合金は他のものと比べて一番高額になる。見た目黄色味をほとんど感じない。磨き込むとパラジウム 特有の黒っぽい色味が目立つ。
  11. グレーホワイト
    金75%:銀12%:銅3%:パラジウム10%
  12. シャンパンイエロー
    金75%:
    銀15%:銅3%:パラジウム70%
  13. レモンイエロー
    金75%:
    銀16%:銅4%:パラジウム5%
  14. イエローレッド
    金75%:
    銀2%:銅20%:パラジウム3%
  15. グリーンイエロー
    金:
    銀15%:銅8%:パラジウム2%
  16. ゴールドイエロー
    金75%:
    銀19%:銅5%:パラジウム1%
  17. イエローブルー
    金75%:
    銀18%:銅4%:亜鉛3%
  18. レッドホワイト
    金75%:
    銀3%:銅15%:プラチナ7%
  19. ライトレッドホワイト
    金75%:
    4%:銅16%:プラチナ5%
  20. グレー
    金75%:
    パラジウム15%:プラチナ10%
  21. パープル
    金75%:
    アルミニウム25%

 

ホワイト系18金ゴールド

パラ割

  1. 金75%:パラジウム25%
  2. 金75%:パラジウム15%:プラチナ10%
  3. 金75%:パラジウム5%:プラチナ20%
  4. 金75%:銀12.5%:パラジウム12.5%
  5. 金75%:銀8%:パラジウム10%:ニッケル7%
  6. 金75%:銀5%:パラジウム20%
  7. 金75%:銀9.9%:銅5.1%:パラジウム5.4%:亜鉛3.5%:ニッケル1.1%

ニッケル割

  1. 金75%:ニッケル10%:亜鉛15%
  2. 金75%:ニッケル15%:亜鉛10%
  3. 金75%:ニッケル18%:亜鉛7
  4. 金75%:ニッケル13.5%:亜鉛3%:銅8.5%
  5. 金75%:ニッケル13.5%:銅11.5%
  6. 金75%:ニッケル8%:銅12%亜鉛5
  7. 金75%:ニッケル16.2%:銅3.8%亜鉛5
  8. 金75%:ニッケル17%:銅3%亜鉛5
  9. 金75%:ニッケル16.5%:銅3.5%亜鉛5
  10. 金75%:ニッケル17.3%:銅2.2%亜鉛5.5
  11. 金75%:銀18.5%:銅1%亜鉛5.5

 

ここまで、ざっと38種類!!

書くの疲れました!

この18金のうちあなたの持っているジュエリーがどの種類なのか?それを正しく知っているのは作った人です。ですから、ジュエリーの修理は買ったジュエラーに持って行くのが正解です。

お氣に入りのジュエリーを末長く使うために、ジュエリー同様、購入するジュエラーも末長くお付き合い出来るかどうかという視点でも選んで下さいね。

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