お客様にはめていただいた所。

好きだった映画をモチーフにジュエリーリメイク

ジュエリーリフォームのご依頼で多いのが『お形見分けで頂いたジュエリーを好みのデザインにリフォームする』というものです。お客様にとって、お亡くなりになったご家族への想いや歴史のある大切なジュエリーですから、長い時間の中でそのジュエリーが宿した想いを良い形で受け継がれるジュエリーをお作りしようと思って毎回仕事をしています。

今回ご紹介するのは、御祖母様のお形見のアメジストリングのリフォームです。

ご依頼内容

ご依頼内容は、ご祖母様の形見分けで譲り受けたアメシストのリングとダイヤのリングから石を外してシンプルなリングにしたいとご依頼頂きました。お預かりしたリングは下記画像の2点です。

アメジストのクラシックデザインリング
アメジストのクラシックデザインリング

 

メレダイヤがアクセントのティファニー製リング
メレダイヤがアクセントのティファニー製リング

 

お預かりしたリングはクラシカルなデザインのアメシストリングと

ティファニーのメレダイヤの入ったシルバーリングです。

 

これを目視確認する中で、アメシストのリングは恐らく頻繁に身につけるご祖母様のお気に入りだった事が伺えました。

なぜなら、石の裏側全体に汚れが付着していた事とリングの輪が真円でなく歪んでいたからです。

これは長年着用する事で起こる事です。ですから、きっとお気に入りでしばしば身に付けていらっしゃったのだろうと想像しました。

 

大切に使われてきたリングへの想いをリフォームしても損なわないようにと思いました。

デザイン

お客様にご祖母様との想い出を伺う中で

オードリー・ヘップバーンの映画をよく視ていたという話しになりました。

シャレード、ローマの休日、ティファニーで朝食を、、、

オードリーが大好きだっだそうです。

このエピソードにピンと来たので

オードリーをテーマにデザインする事をご提案しました。

シンプルでエレガントで

このアメシストが引立つデザインを考え

行き着いたのは“ティファニーで朝食を”の中で着ていたブラックドレス。

あのバックスタイルの美しさをリングにしようと思いました。

それと、

デザインする時に忘れてはいけないのは身に付ける方に似合う事です。

お客様の印象を引き立てるジュエリーをデザインする事を忘れずに仕事しています。

そして決定したのがこのデザインです。

ラフデザイン画
ラフデザイン画

 

制作

デザインが決まって、いよいよ制作です。

石を外してクリーニングします。

お預かりしたリングから石を外した所
お預かりしたリングから石を外した所

綺麗になった石は一段と深く輝きを増しました。

ここで、一つ氣が付いたのは

光源によってアメシストの色合いが若干変化する事です。

カラーチェンジアメシストほどの変化ではないものの、

自然光と蛍光灯の違いに反応して赤みの強い紫と青みの強い紫に変化していました。

 

クリーニングして綺麗になった石に合う石座を作る事からジュエリー制作の仕事は始まります。

スキ無く綺麗に石が座る石座を作り、それに合わせてリングの腕を作ります。

その後、研磨、石留めと進んで完成です。

完成のその時は、とても嬉しい瞬間です。

完成

完成したリフォームジュエリー
完成したリフォームジュエリー

リフォームされたリングをご覧になったご依頼者様の最初の感想は

想像されていたものより立派なリングだった様で

びっくり(?)なさっていました。

 

着用して頂いた所、

ご依頼者様の雰囲気にとてもよく似合っていらっしゃいました。

お孫さんの指で輝くリングにご祖母様も喜んで下さるでしょうか?

 

お客様にはめていただいた所。
お客様にはめていただいた所。雰囲気にとっても似合っていらっしゃいます。

 

 

作品詳細

材質スペック:18金イエローゴールド、アメジスト(お客様お手持ちの品)、ダイヤモンド(お客様お手持ちの品)

デザイン・制作:Tomoko MAEDA/前田朋子 KELEN

写真撮影:KELEN

お問い合わせはこちらまで。

 

 

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アートトリップマガジン 「風のかをり」

あえて知らない場所へ行き、まだ見たことのないその地から受ける刺激は新たな創造の種となってくれます。 その土地の気候、動植物、住む人たち、食べ物といったその場所の全てが作り出す空気感を私は「かをり」と呼んでいます。 たとえ徒歩で行ける場所でも、そこから何か刺激を受け取ったらそれは旅です。 距離の長短ではなく、日常とは違う、自分の人生をより良くしてくれる刺激を与えてくれる場所に行くことを私は旅と呼んで、そこから感じたかをりをお届けします。