エメラルドってどんな宝石?エメラルドグリーンの魅力の評価基準。

チョークエメラルド

前回

エメラルドの産地別インクルージョンの特徴。天然石のあばたもえくぼ。

でエメラルドのインクルージョンの魅力について書きましたが、ここでは、それ以外のエメラルドの魅力について書きたいと思います。

エメラルドの色の評価基準

とても美しい緑色を形容する”エメラルドグリーン”という言葉があるように、エメラルドは他に変わるものがない位美しい緑色をしています。それでも、天然石である以上、様々な色の個体があって、これはエメラルドを評価するポイントの一つとなっています。

エメラルドの質はカラーとクラリティに分けて判断します。カラーは文字通り色。クラリティはインクルージョンの状態です。

カラー

エメラルドのカラーは、緑色の濃さ緑色の鮮やかさから判断します。

薄いものは評価が低くなり、緑色が濃いほど評価は高くなります。

鮮やかさでは、黒っぽい緑色のものは評価が低く、黒みのない緑色ほど評価が高くなります。

エメラルドのカラー略図
エメラルドのカラー略図

上の図はエメラルドの色の見方をわかりやすく説明した図です。真ん中を基準として右に行くほど黒くなり、逆に左に行くほど薄くなります。ただし、この略図はエメラルドの色を再現したものではないので、実際のエメラルドの色とは違います。あくまでも色の濃淡や黒っぽさをわかりやすく説明するためのものと理解して下さい。

コロンビア産のエメラルドに最高品質のものが多いと言われていますが、それにはエメラルドが結晶する母岩が関係しています。コロンビアのエメラルドは石灰岩に付着しているため、黒っぽくなる不純物がエメラルドに入り込みにくいのです。とはいえ、盲目にコロンビア産の全てが他の産地と比べて高品質だとは言えません。どこの産地でも品質の良いもの悪いものがあるので、見て判断するしかありません。

また、エメラルドの色についてもう一つ知っておいて欲しい事は、エメラルドはベリルの仲間ですが、ベリルが緑色に発色するためには、酸化クロムかバナジウムか鉄が必要になります。この中で酸化クロムが発色の要因となっているベリルをエメラルドと呼んで、他の要因で緑色に見えるベリルはグリーンベリルと呼び区別する事が推奨されています。いまひとつ歯切れの悪い言い方ですが、酸化クロム以外で緑色に発色しているベリルもエメラルドとして売られていることもあり、酸化クロム以外はエメラルドではないとはっきりと言えないのです。

クラリティ

エメラルドはインクルージョンがあって当たり前と言って良いくらいですが、その状態によって透明度が違ってきます。インクルージョンが多いほど曇って見えて評価は低くなります。逆に少ないと透明度が高くなり評価が高くなりますが、この品質のエメラルドの数はとても少ないのです。

エンハンスメント

インクルージョンを目立たないようにして、良さを引き立てるためにオイルを含浸させる処理(エンハンスメント)がエメラルドには施されています。これは業界では正式に許可されている方法で、長い間行われています。市場に出回る多くのエメラルドはこの処理を施されていて、これにより、インクルージョンが目立たなくなってより美しく見えます。

ムゾー鉱山産エメラルド
ムゾー鉱山産エメラルド(Photo:Wikipedia)

エメラルドの選び方

エメラルドを選ぶときに一番良いのは、可能ならば最高品質といわれるエメラルドを実際に見てしまうことです。そうすれば、他のものを見てもどの程度の質なのか大体わかります。そこで、博物館に所蔵されているものなどの世界的に有名なエメラルドをご紹介します。

チョーク・エメラルド

37.82カラットのコロンビア産エメラルドです。素晴らしい透明度と色。この傑出したエメラルドは深い緑色を呈し、高い評価を得ています。以前はインドのバロダ州元大統領が所有していて、エメラルドの周りをダイヤモンドが取り巻くネックレスでした。もともと38.4カラットでしたが、ハリー・ウィンストンがデザインしたリングに作り直されました。1972年にオールド・ロイ・チョーク夫人によってスミソニアン博物館宝石コレクションに寄贈されました。

チョークエメラルド
チョークエメラルド(Photo:Wikipedia)

ガチャラ・エメラルド

858カラットのカットされていないエメラルドです。コロンビアのVega de San Juan鉱山で1967年に発見されて、発見された鉱山地区にちなんで命名されました。今はハリー・ウィンストンによってスミソニアン博物館に寄付されました。やや軽い色ですが、このエメラルドは、ムゾーなどコロンビアの他の地域で生産されているエメラルドよりもインクルージョンが少なく透明度が高いです。

ガチャラ・エメラルド
ガチャラ・エメラルド(Photo:Wikipedia)

エメラルドを選ぶときにもし、色の薄いものと黒っぽいもの、二つのエメラルドが甲乙つけがたく迷うようなら、最終的には自分の魅かれる方を選ぶのが良いでしょう。色の比較は主観が入るので、どちらも似たような品質であればあとは自分の感性を信じるべきです。

他の似た色の宝石がどんなに美しくても、けっして同じにはならないエメラルドグリーン。その色が人を魅了し続ける魅力になっている事は間違いありません。

美しいエメラルドのジュエリー。一つは持っていたい魅力のある宝石です。

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