宝石・ジュエリー用語辞典
ジュエリー・宝石に使われる用語には一般的に馴染みの少ないもの、誤解されているものなどが少なくありません。このページではジュエリー・宝石に関する用語をわかりやすく解説しています。下記のリンクより検索して下さい。(随時更新しています)
あ い う え お
か き く け こ
さ し す せ そ
た ち つ て と
な に ぬ ね の
は ひ ふ へ ほ
ま み む め も
や ゆ よ
ら り る れ ろ
わ を
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U V W X Y
Z
あ行
・アメシスト
アメシスト(アメジスト)とは
・1方向に完全
劈開の
・インクルージョン
宝石の内包物。肉眼で見えるものから拡大鏡でないと見えないものまで様々。固体、液体、気体など様々なタイプがある。多くは欠陥とみなされるがエメラルドのmossy(藻)の様に欠陥とみなさないインクルージョンもある。
・エメラルド
エメラルドは
・エメラルド・カット(エメカット)
六方系結晶の宝石に施される事が多い四角いシェイプを持つカット。エメラルドは割れやすいため長方形の四つ角も小さくカットされる。シェイプは長方形が多いが正方形のものもある。これはスクエア・エメラルド・カットと呼ばれる。
・エンハンスメント
宝石の持っている魅力を引き出すための人的手段で、宝石の改良とされている。宝石の持っている魅力とは無関係に人的手段を施す(着色、コーティングなど)はトリートメントと呼ばれ区別されている。
・オリエンテーション
宝石研磨の時に、原石をどの方向にカットするか決める事をオリエンテーションと言う。多色性を示す宝石の場合、もっとも良い色を示す面と同方向にテーブル面が来るようにカットする。方向を間違えると見た目の色が落ち、宝石の価値を落としてしまう。
か行
・貝殻状断口
断口の形状を示す6種類の評価の一つ。割れた断面が放射状で2枚貝に似ている事からこう呼ばれる。英語では”Conchoidal”
・灰簾石
かいれんせきとは
・化学成分
鉱物を構成している化学成分
・角閃石
角閃石(かくせんせき)はケイ酸塩鉱物のグループ名。鉄、カルシウム、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウムなどのケイ酸塩鉱物。
・ガーネット
ガーネットは
・金属光沢
金属の平らな表面の光の反射に現れる光沢。光沢はその表面の磨きの程度に影響される。硬度の高い宝石ほど細かい凸凹ができ無い様に滑らかに磨く事ができるので金属光沢になる。屈折率が大きく、硬度の高い宝石が他の物質よりも優れた光沢を示す。
く
・屈折率
光が宝石の境界面で屈折する時の入射角Iと屈折角rとの比率。屈折率n=入射角sin I/屈折角sin rで求める。
・クラリティ
宝石内部のインクルージョン(内包物)の評価。多いほど透明度が落ち曇った印象になるため評価が低くなる。
・珪酸塩鉱物
ケイ素、金属、酸素が結びついた鉱物。種類が多く、600種類以上ある。
・結晶系
宝石の結晶の種類。等軸晶系、正方晶系、六方晶系など 7つに分けられている。
・光沢
光線が宝石の表面から反射される時、その面と宝石の性質によって変化を受けて生じる現象。その宝石の光沢をダイヤモンド光沢、玻璃光沢(ガラス光沢)、真珠光沢、樹脂光沢、絹糸光沢、蝋光沢の6つに区分する。宝石の価値を決める要素の一つである。
・硬度
宝石の耐久性を測る尺度のひとつ。ドイツの鉱物学者モースによって考案されたモース硬度が用いられる事が多い。もっとも柔らかい鉱物から、もっとも硬い鉱物まで10種類の基準となる鉱物を選定し、それぞれの硬さを1〜10(10がもっとも硬い)の数値で表し、他の宝石がどの基準鉱物で傷がつくか調べ、10段階分類のどこに位置するのか決める。
硬度と言っても、単に硬さの順位を表すもので、硬さの数値を表すものではない。つまり同じ硬度の鉱物同士がまったく同じ硬さであるわけではない。また、例えば硬度7と8と9の間は同じ硬度の割合ではない。モース硬度は特殊な機械がなくても調べることが出来、鉱物の硬さを分類するには便利である。
・コマーシャルネーム
宝石に学名や正式名称ではなく、商用目的で付けられた名前。主に価値が高い宝石の名前と類似するように付けられる事が多い。
さ行
・サファイア
サファイアとは
・三方晶系
六方晶系の一種。
・酸化鉱物
金属または非金属が酸素と結びついた鉱物のこと。ケイ素と酸素の石英、アルミニウムと酸素のコランダム、鉄と酸素のベンガラなどがある。
・シェイプ
宝石を上から見たときの形をいう。ラウンド=丸、オーバル=楕円、ペア=なし型など
・時効硬化
合金がある温度下で放置されている時、徐々に硬くなっていく現象を言う。
・樹脂光沢
樹脂の様な光沢をいう。琥珀など。表面が柔らかく小さな凸凹が多く表面拡散反射光が多くなり、光沢度は高くない。
・シャトヤンシー
宝石の光における特殊効果のうち、猫の目のような光の効果を出すものをいう。キャッツアイ効果。
・斜方晶系
3本の軸の長さがそれぞれ異なり、これらの軸がお互いに直交する結晶の事をいう。
・主産地
鉱物が産出される主な場所
・準鉱物
鉱物の様に見えるが結晶構造を持たないものをいう。オパールや真珠、琥珀など。
・硝酸塩鉱物
窒素、金属、酸素が結びついた鉱物。チリ硝石など。
・シルバー925
銀を92.5%、それ以外の金属を7.5%含む銀合金の事を言う。中でも銀92.5%と銅7.5%のみで作られる銀合金をスターリングシルバーと言う。
・靭性
固体の割れや欠けに対する耐性の度合いを靭性と言う。英語ではTenacityまたはToughness
・水酸化鉱物
金属が水や水酸基と結びついた鉱物。ボーキサイトやリモナイトなど柔らかい物が多い。
・スターリングシルバー
銀92.5%とその他の金属7.5%で作られた銀合金のうち、銀と銅だけで作られた2元合金の事を言う。これ以外の金属を含む銀92.5%含有銀合金は単にシルバー925と表示されスターリングシルバーとは表示出来ない。スターリングシルバーは時効硬化に優れる。
・世界5大ジュエラー
HARRY WINSTON(ハリー・ウィンストン)、Cartier(カルティエ)、TIFFANY & Co.(ティファニー)、BVLGARI(ブルガリ)、Van Cleef & Arpels(バンクリーフ アンド アーペル)の5つのブランドの事を言う。
・潜晶質
微晶質構造を持つ結晶のうち、結晶粒の間に多孔質を持つものは潜晶質と言う。
・双晶
ある一定の法則に基づいて同じ鉱物が交わって出来る結晶構造
た行
・多色性
宝石が見る角度によって色が違って見える事を言う。ルビー、エメラルド、アイオライトなどに見られる。英語ではPleochroism
・ダブリング
ファセットカットのテーブル面からパビリオンをみた時、パビリオンの稜線が二重に見える事。ルーペでみた方が確認しやすい。
・多片状断口
角が鋭く細長い面が連続している断口。英語では”fibrous”または”splintery”
・タンザナイト
タンザナイトとは
・炭酸塩鉱物
炭酸と金属が結びついた鉱物。方解石など200種類以上ある。
・単斜晶系
3本の軸が異なり、2本の横軸が直交し、上下軸がこれらの一方に直交し、他の一方と斜交する結晶。スポジューメン、スフェーン、オーソクレーズ、エピドードなどがある。
・誕生月石または誕生石
誕生月にごとに決められた宝石をいう。12ヶ月、ひと月ごとに1種類もしくは2〜3種類の宝石が決められている。一般的に誕生石という場合、この誕生月石を指す。
・誕生日石
生まれた日、1日1日に決められた鉱物の事。閏年もあるため366個の鉱物が割り当てられている。数が多いため、中には産出量が極めて少なかったり、硬度が極端に低く脆かったり、鉱物に分類されなかったりするものも含まれる。
・断口
鉱物が劈開、裂開以外の方向に割れた時に出来る割れた面の形状を言う。英語では”Fracture”
貝殻状(conchoidal)、多片状(fibrousまたはsplintery) 、針状(hackly) 、平坦状(Even)、不平坦状(uneven)、土状(Earthy)の6種類の評価がある。
・土状断口
土の様にザラザラした断面の断口の事。英語では”Earthy”
・テーブル面
カットされた宝石の一番上の平たく大きな面。下図参照。
・等軸晶系
等軸晶系とは前後軸、左右軸、上下軸の3つの軸の長さが等しく、その3本の結晶軸が互いに直交するものをいう。
・透明度
宝石の透明度を透明、半透明、亜透明、半亜透明、不透明の5段階で評価するもの。品質を決定する要素の一つ。英語ではTransparency
な行
・2元合金
2種類の成分原子から作られた合金の事。例:銀と銅で作られたスターリングシルバー
は行
・玻璃光沢(はりこうたく)
玻璃とは仏教で七宝のひとつを指し、水晶の事。ガラス光沢とも言う。玻璃光沢とはガラス様の光沢の事である。ほとんどの宝石はこの光沢を持つ。代表例はルビー、サファイア、エメラルド、トパーズ、トルマリン、水晶など。
・針状断口
鋭く針状の断面をしている断口の事。英語では”hackly”
・ハロゲン化鉱物
ハロゲンガス(臭素、塩素、フッ素、ヨウ素)と金属元素(アルミニウム、カルシウム、銅、鉛、マグネシウム、カリウム)とが結びついた鉱物
・非晶質
結晶構造を持たない物質のこと。ガラス、オパール、琥珀など。
・比重
ある物体の重さと、その物体と同体積の水(4℃)の重量との比を比重と言う。水1㎤の重量は1gなので、物体1㎤の重さをgで表した値がその物体の比重になる。ベテランの宝石鑑別師は、宝石を手の中で振るだけでその種類を推測する事が出来る。これは、宝石の比重の違いを利用していて、手の中で振った時の重さの違いからわかるものである。
・微晶質
顕微鏡下で結晶粒が認識出来るが肉眼では認識出来ない程度の結晶。結晶粒の間に多孔質を持つものは潜晶質と言う。
・砒塩酸鉱物
ヒ素、金属、酸素が結びついた鉱物。鮮やかな色と細やかな結晶が多い
・ファイアー
宝石にあたった光が宝石内部で分散して七色の虹のように見える現象。ファイアーがよく見られる宝石の代表はダイヤモンド。
・フォールスネーム、フォルスネーム
誤称の事。フォールスとは偽りのと言う意味で、ある宝石の接頭語として別の宝石の名前を付けるのが一般的。ランク上の宝石の名前を付けるのが一般的である。
・複屈折
結晶に入った光が複数の方向に屈折する事を言う。等軸結晶系以外の宝石はすべて複屈折する。英語ではBirefringence
・不平坦状断口
荒く不均一な断面をもつ断口の事。英語では”uneven”
・分散度
宝石内部を通過する光の分散の度合いを言う。赤色光と紫光の屈折率の差で表し、その差が大きいほど分散度が大きい。英語ではDispersion
鉱物を化学組成の違いにより分類したもの。元素鉱物、硫酸塩鉱物、ハロゲン化鉱物、ケイ酸塩鉱物などがある。
・平坦状断口
割れた断面に凹凸がなくほとんど平坦な断口。英語では”Even”
・へき開
宝石が一つの決まった方向に割れる性質を言う。へき開のある宝石はダイアモンドやトパーズ。
・硼酸塩鉱物
ホウ酸、金属、酸素が結びついて出来た鉱物。
ま行
・ミルグレイン
ミルグレインとはミルタガネ(半球状の凹みのあるタガネ)で金属表面を打ち、小さな半球(凸状)を連続して打った模様の事。クラッシックなデザインに多く見られる。ミル打ちとも言う。
・藻(も)
mossyと同じ。エメラルド内部にある多数のインクルージョンの事。中でも液体のインクルージョンが広がっている状態。藻のように見える事からこう呼ばれる。
・モース硬度
モース硬度とは
や行
ら行
・ラズベリルまたはラズベリーベリル
ペツォッタイトのコマーシャルネーム。2003年にIMAに正式に登録された。三方晶系の結晶構造を持つベリルの変種。まだレッドベリルと混同して売られている場合があるので、購入の際は鑑別書を取ることが望ましい。
・硫化鉱物
硫黄、金属が結びついた鉱物。結晶の異形なものもある。
・硫酸塩鉱物
硫黄、金属、酸素が結びついて出来た鉱物。130種類ほどある。
・燐酸塩鉱物
リン、金属、酸素が結びついた鉱物。200種類ほどが知られている。
・六方晶系(ろっぽうしょうけい)
鉱物の結晶系のひとつ。同じ長さを持った3本の結晶軸a1,a2,a3が同じ平面で120°で交わり、さらにb1軸がこれらに直角に交わり、その長さが3本の軸と異なるものを言う。下図参照。
わ行
A
B
・Birefringence
複屈折の事
C
・Conchoidal
貝殻状断口の事
・CZダイヤモンド
キュービックジルコニアの事。Cubic Zirconiaの頭文字をとってCZ、その後ろにダイヤモンドの名を付けたフォールスネーム。
D
・Dispersion
分散度の事
E
・Earthy
土状断口の事
・Even
平坦状断口の事
F
・Fracture
断口の事
G
H
・hackly
針状断口の事
I
・IMA
International Mineralogical Association/国際鉱物学会の略。国内では日本鉱物学会がメンバーである。
J
K
L
M
・mossy
藻の項目参照
N
O
P
Q
R
S
T
・Tenacity
靭性の事。Toughnessと表記する事も
・Toughness
靭性の事。Tenacityと表記する事も
U
・uneven
不平坦状断口の事。
V
W
X
Y
Z
参考書籍
宝石 その美と化学 近山 晶 著
宝石学必携 近山 晶 著
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