これから婚約指輪をあげる人ももらう人も、これを読めば疑問も解決!
婚約指輪って、
当たり前だけれど、買うのももらうのも初めての人がほとんどですよね。だから色んな事がわからないのは当然。価格のこと、デザインの事、人によっては、そもそもいらないんじゃないか?いろいろな疑問があると思います。
そこで、このページでは婚約指輪のあらゆる疑問の答えが見つかるように婚約にまつわる事を網羅して書いています。一口に婚約指輪と言っても何を知りたいのか人それぞれ。範囲が膨大で書く事が沢山あるので、少しづつ加筆して更新しますね。
全ジャンル書くとかなり長文になる予定なので、探している答えが見つかりやすい様に目次を挙げておきます。コレ、全部読めないよ!!という人は下の目次をクリックして目的地に飛んで下さいね。
そもそも婚約指輪って?
婚約指輪の歴史
起源
そもそも婚約指輪を渡す風習はいつ頃から始まったのでしょうか?また、結婚前に女性に指輪を渡す事にどんな意味があったのでしょう。
もっとも古い結婚にまつわる指輪の記録は、紀元前2800年ごろから始まる古代エジプト文明の中にあります。はじまりは葦などで編んだ輪状のもので、切れ目のない輪は”永遠の愛”を象徴するシンボルだと信じられていて、互いに指輪を交換し永遠の愛を誓い合いました。指輪に使われる素材は後に、より耐久性のある革や骨や象牙に変わっていきました。
つまり、古代エジプト時代にはすでに、現代の結婚指輪とも言える指輪の交換の習慣がありましたが、この指輪とは別に婚約指輪を渡す習慣の記録はありません。
婚約指輪の起源はもっと後の時代になり、古代ローマ時代にあったようです。男性が妻となる女性をお金で買う売買婚がその始まりでした。売買婚が成立した証拠として、妻となる女性の父親にその代金として指輪を贈ったのが婚約指輪のはじまりです。つまり、婚約指輪は女性と結婚する権利を買うという契約の際に支払われた代金だったのです。売買婚では、婚約指輪を渡す事で結婚する権利の契約が済んでいるという意味のため、その後に結婚指輪を渡す習慣は無かったと言われてます。婚約指輪が誕生した古代ローマ時代の結婚は、今のような自由恋愛で成立する事ではなく、あくまでも契約で成立していました。そして契約成立の証のいわゆる契約料として渡していたのが婚約指輪の起源です。(リファレンス:浜本隆志著『指輪の文化史』)
このように、古代エジプト文明の記録は現代の結婚指輪に、古代ローマのは婚約指輪の原型とも言えますが、興味深いのは、古代エジプトでは指輪は永遠の愛の象徴であったのに対して、古代ローマでは契約の象徴であった事です。なぜその様に違うのかを知るには、もう少し歴史をしらべてみないといけません。文献を調べて分かり次第加筆したいと思います。
アンティークジュエリーが語る婚約指輪の歴史
現代に残るアンティークジュエリーを見ると、結婚や婚約に関するジュエリーが多数あることに気がつきます。この事は婚約・結婚という人生の大きな出来事に指輪を贈ったり、交換しあったりする風習が昔からあった事を物語っています。
こうした婚約、結婚にまつわるアンティークジュエリーからは当時の婚約と結婚の意味を伺う事が出来ます。世界の美術館博物館のコレクションから、いくつか特徴的な結婚婚約にまつわる指輪を紹介します。
センチメンタルジュエリー
これから紹介するジュエリーはどれも愛をテーマにしたデザインで、総称としてセンチメンタルジュエリーと呼ばれています。婚約や結婚の時に贈られた伝統的なデザインはその時代の政治的、宗教的背景も伺えて非常に興味深いです。
フェデリング(fede ring)
フェデリングとは握り合う二つの手をデザインしたものを言います。
”フェデ”とは2人が互いの右手を握り合う(握手)ことで、握手は調和、親和性、友情、忠誠心をあらわし、出会いや別れの場でよく使われるモチーフでした。このモチーフは古代ローマでは、デキスララム・イニチョ(duxtrarum iunctio)と呼ばれ、政治的な場面においては契約締結時の政治的合意を表していました。
ハードウィック卿の婚姻法が1753年にできるまでは、男女が結婚したとみなされるプロセスはその地方の習慣や儀式に支配されていて、これが結婚式のプロセスだと言うはっきりとした定義はありませんでした。
エドワード6世が1549年に出版したthe Book of Common Prayerによれば、人々が教会で結婚式を挙げるように促す明確な試みがありましたが、既存の習慣の方が強いため根付かず、依然として婚姻した状態が曖昧であったために、二人の結婚に対するわかりやすい相互合意を取る必要がありました。この合意を表明するサインが握手であり、フェデリングだったのです。(リファレンス:©the British Museum)
フェデリングは古代ローマ時代に始まりましたが、盛んに使われる様になったのは中世以降です。
上記のフェデリングはVictoria and Albert Museumのコレクションです。シルバー製で1350年から1400年の間に作られました。
ギメルリング(Gimmal ring)
ギメルリングは上記のフェデリングが1本の指輪なのに対して、二本以上の指輪の組み合わせで出来ているのが特徴です。二つの連動した輪で作られているギメルリングの名は、ラテン語で双子を意味する’gemellus’からきています。婚約した男女が1本づつはめて、結婚した後に1つに組み合わされ、花嫁が身に着けました。
3本以上でできているギメルリングもあって、それはしばしばパズルリングと呼ばれます。1本は花婿、もう1本は花嫁、他の指輪は第3者が結婚式まで所有して、結婚を見届けた後に他の指輪と一緒に花嫁が身につけました。
二つが一つに組まれた時は見えない場所、リングの輪の内側に二人の感情を現す碑文の刻印があります。
結婚の契約に関するこの事実は、フェデリング、ギメルリングが結婚式の最中に結婚の契約をすることに使われていた事をを強く示唆しています。
デザインはフェデリングの様に握り合う手に限らず、宝石を用いたもの、メッセージを刻印したものなどがあります。
下記の写真は©the British Museum所蔵のギメルリングです。16-17世紀のもので、金とエナメルで出来ています。
下記はヴィクトリアアンドアウバートミュージアム(Victoria and Albert Museum, London)所蔵のギメルリングです。金及びエナメルで出来ています。16世紀頃のものです。
下記はメトロポリタン美術館所蔵のフェデモチーフではないギメルリングです。ルネッサンス期のものです。
クラダリング
2つの手が印象的なデザインで、フェデリングにとても似ているクラダリング。これはアイルランドの伝統的工芸品の指輪です。今では手とハートと王冠が定番モチーフとして知られていますが、初期の頃(17世紀)には違うデザインだった様です。ハートは愛、手は友情、王冠は忠誠を表しています。クラダリングはかならずしも婚約指輪として用いられるわけではありませんが、フェデリング、ギメルリングと類似しているため掲載しています。
他の愛を伝える為のリングのスタイル
以下はもかならずしも婚約、結婚指輪として使われるリングではありませんが、愛をテーマにしたリングなのでご紹介します。
ポージーリング
”poesy ring”は 詩の指輪の意味で、友情と愛を表現する言葉が刻まれたリングです。1200-1500年頃から流行し贈り物として人気でした。ポージーリングの言葉は、はじめはラテン語で書かれていましたが、後にフランス語が一般的に使われました。これらの言語は両方とも、中世ヨーロッパのエリートによって広く話されていました。刻まれる言葉は定型句があったようです。
レガード・ディアレストリング
これは、宝石の頭文字を並び順につなげると伝えたい愛のメッセージになるメッセージリングです。
REGARDリング
例えば、REGARDリングは、ルビー、エメラルド、ガーネット、アメシスト、ルビー、ダイヤモンドの順番に宝石を並べたデザインで、それぞれの宝石の頭文字をつなげると「REGARD/敬愛」の意味になります。
- Ruby(ルビー
- Emerald(エメラルド
- Garnet(ガーネット
- Amethyst(アメシスト
- Ruby(ルビー
- Diamond(ダイヤモンド
DEARESTリング
同じく、DEARESTは最愛の人の意味でダイヤモンド、エメラルド、アメシスト、ルビー、エメラルド、サファイア、トパーズの6種類の宝石を使ってデザインされています。
- Diamond
- Emerald
- Amethyst
- Ruby
- Emerald
- Sapphire
- Topaz
ADOREリング
「大切な人」の意味で、使っている宝石はアメシスト、ダイヤモンド、オパール、ルビー、エメラルドの5種類です。
- Amethyst
- Diamond
- Opal
- Ruby
- Emerald
LOVE MEリング
「私を愛して」の意味で、ラピスラズリ、オパール、ヴェルメイル(ガーネットの別名)、エメラルド、ムーンストーン、エメラルドを使います。
- Lapis
- Opal
- Vermeil
- Emerald
- Moonstone
- Emerald
FOREVERリング
「永遠」を意味し、ファイアーオパール、オパール、ルビー、エメラルド、ヴェルメイル、エメラルド、ルビーの5種類の宝石で作られます。
- Fire Opal
- Opal
- Ruby
- Emerald
- Vermeil
- Emerald
- Ruby
下記の画像はリングではなくロケットですが、(©Victoria and Albert Museum, London)所蔵のもので、REGARDのデザインが施されています。1枚目の写真ではハートの真ん中にルビー、エメラルド、ガーネット、アメシスト、ルビー、ダイヤモンドが円を描くように留められています。
また、裏側のターコイズは忘れな草をデザインしています。忘れな草の花言葉「私を忘れないで」の意味が込められています。
この様に、アンティークジュエリーの中には愛をテーマにした物が多数残されていて、昔から婚約、結婚に際してジュエリーを贈る習慣があった事が伺えます。
現代でも人気のあるアンティークジュエリー。オーダーメイドなら、そのデザインで婚約指輪や結婚指輪を作る事も出来ます。例えばギメルリング。二人のリングを重ねるとピタリと一つになる結婚指輪なんて素敵です。そんな指輪が作りたいと思ったらぜひご相談下さい。婚約指輪の制作事例も見られます。
日本近代史における婚約指輪の歴史
面白い事に、日本の長い歴史の中で、ジュエリー(貴金属、宝石を用いた装身具)の存在は奈良時代から明治時代までの長い間姿を消してしまいます。指輪をはじめ、ネックレスなどのジュエリーが身につけられていた記録が一切ないのです。その理由ですが、着物文化にジュエリーは受け入れられなかったなどの他諸説あり、どれが本当なのかはわかっていません。ですから、日本における婚約指輪の歴史を見る出発点になるのは明治時代となります。(リファレンス:ジュエリーの世界史/山口遼 著/新潮文庫)
明治時代になって西洋文化が入ってくるようになって、ジュエリーの必要性も出てきました。けれど、それはまだ一部の華族など特権階級だけの話で、一般庶民にはまだジュエリーは遠い存在でした。ジュエリーが本格的に一般庶民に広まるのは戦後になってからです。
それでも、明治時代には日本独自のジュエリーメーカーが誕生しています。ウエダジュエラーやMIKIMOTOは、明治時代からの歴史を持ち、今では日本を代表し、世界のハイジュエリーブランドと肩を並べるトップジュエラーになっています。
婚約・結婚指輪に関する史実では、植田商店(現ウエダジュエラー)が1904年(明治37年)に日本で初めて結婚指輪の広告を出しました。下記画像はその広告です。(ウエダジュエラー様に画像使用許可をいただいて掲載しています。)
話が前後しますが、1876年(明治9年)廃刀令が発せられて帯刀する事が出来きなくなった事で、刀を作る職人の仕事がなくなります。職を失った職人が、次に仕事にしたのはジュエリーの制作でした。明治初期のジュエリー制作を支えた職人の多くはこうした元刀職人であったであろうと推測します。(今後調べてわかり次第加筆したいと思っています)
今でも世界中の美術館・博物館に多くの刀が所蔵されている事が証明するように、刀を作る技術は世界的に見ても高く評価されるものであり、職を失った職人が作ったジュエリーもまた完成度の高いものであったに違いありません。
さて、戦後の高度成長期に入って生活水準が急速に上昇する波に乗って婚約指輪を贈る習慣が一般に普及してきます。高度成長期は1955年(昭和30年)から1972年(昭和47年)までと言われていますから、婚約指輪が普及しだしてから現在(2017年)まで62年。日本の婚約指輪の歴史は意外に浅いのです。
現代の婚約指輪の意味
ここまで書いたように、歴史的資料から紀元前の昔から婚約、結婚に関する指輪は存在していた事がわかりました。古代ローマにおける結婚は事実上の売買婚で、結婚の契約の証=婚約指輪であった事から、婚約指輪はいわゆる契約料として、結婚の際は必ず男性側から女性側に渡されたものと推測する事が出来ます。
一方、日本では明治時代の洋装化に合わせてジュエリーを身につける習慣が芽生え始めましたが、広く一般的に婚約指輪や結婚指輪を贈る習慣が根付いたのは戦後の事です。結納の際に婚約記念品として指輪が贈られる様になりました。はじめはダイヤモンドとは限らなかった様ですが、無色透明な色と、最も硬い鉱物であることから好まれ、ダイヤモンドは婚約指輪の定番になっていきました。
現代になると婚約・結婚事情は大きく変わっています。ゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べによれば、結納を行った割合は17.7%です。(両家顔合わせと結納の両方行った13.3%、結納のみ行った4.4%を加算)結納をしないカップルが8割以上を締める今日では、戦後から続いた婚約指輪の意味合いは薄れましたが、結婚という節目の記念品として婚約指輪を贈る習慣は残りました。
婚約指輪、いる?いらない??
婚約指輪を買う人買わない人
上記で書いた様に、結納の際に婚約記念品として贈られてきた婚約指輪ですが、結納の習慣が少なくなってきた現代では婚約指輪を贈るケースは少なくなってきたのでしょうか?ゼクシィ 結婚トレンド調査2016のデータから婚約指輪を贈る(贈らない)割合とその理由について調べてみました。
婚約指輪を買う人買わない人、いったいどのくらいだと思いますか?
上のグラフはゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べの結果です。婚約記念品があったと答えた人は首都圏では74.3%です。(注:同調査で”婚約記念品が婚約指輪だった人の割合”が97%)
もう一つ、別の婚約指輪取得率の調査結果をご紹介します。矢野総研調べブライダルジュエリーの市場規模推移と予測2015によると
ダイヤモンドエンゲージ取得率は 58.3%から 58.4%へと微増したが、単価の下落が影響した。 またマリッジリングの取得率は 98.4%から 97.4%へと落ち込んだ。
とあり婚約指輪(ダイヤモンドの)を取得した率は58.4%です。
ゼクシィと矢野総研の調査で取得率に15.9%の開きがあります。これは、調査年度が違う(ゼクシィは2016、矢野総研は2015)事と、両者の調査対象の層の違いによるものと思われます。(ブライダルジュエリーの市場規模推移と予測2015の見解より)
両データの婚約指輪を取得した率の平均は66.4%です。これを逆から見ると、婚約指輪を取得しなかった率は33.6%でほぼ3組に1組が婚約指輪を買っていない事になります。
なぜ婚約指輪を買わないのか?
どうして婚約指輪を買わないのでしょう。その理由を探ってみます。
再びゼクシィ結婚トレンド調査2016調べによると、
婚約指輪を買わなかった理由を見ると、「指輪は付けない主義」や「欲しくない」など、女性が明らかに本心から婚約指輪はいらないと言っているケースがあります。この場合は婚約指輪を買う買わないで迷う事はないでしょう。
一方「お金がもったいないから」や「予算がない」など出費を気にして遠慮していると思われる理由では、本心では欲しいけれど、結婚にかかる費用を考えると買わなかった気持ちが見えてきます。
また「婚約期間しか使えないから」や「普段身につけるものではないから」などの使用頻度の低さをあげる理由からは、婚約指輪が結婚にまつわる他の事よりも優先順位が低い事がわかります。
この事から、婚約指輪を買わなかった理由は
1、女性が婚約指輪を欲しいと思っていない
2、色々予算を考えて婚約指輪を買わなかった
3、婚約指輪は使用頻度と優先順位が低いから買わなかった
の3つに分けられます。
1は女性が婚約指輪をする気がないので買う買わないで迷う事はなかったと思います。けれども2と3の理由からはもらわなかったけれど、実は欲しかったのかも知れないという気持ちが伺えます。
というのも、下記のグラフの結婚を決めた当時の婚約指輪に対する考えの一番下を見て下さい。エンゲージリングなしの人の中でも婚約指輪に「昔から憧れていた」と回答している人が28.3%、「婚約の証として付けていたい」が14.5%いるのです。この事からは出来れば婚約指輪を貰いたかったという女性の本音が見えてきます。
この結果をみて、”本当は欲しかったけれど諦めた”女性の夢を叶える方法はないものかと思いました。
付けない、いらない、欲しくない、と言う女性なら良いのです。けれど、もし少しでも婚約指輪が欲しかったという気持ちがあるのなら、女性の夢を叶えてあげたい。そう思いませんか?
予算が少なくても婚約指輪を作る方法はいくつかあります。そこで次に、実現可能な婚約指輪を安く作る方法を考えてみたいと思います。
婚約指輪を賢く買う(用意する)方法
ここでは、いろいろな理由で婚約指輪を用意する事を諦めている人をはじめ、予算が限られていてどこで買おうかと悩んでいる方に向けて、重視する価値観別にオススメの婚約指輪の買い方を紹介します。婚約指輪、考えていなかったけれど、これなら用意出来るかな?と思ってもらえるように書きました。
ダイヤモンドにこだわって選ぶなら
婚約指輪といえばダイヤモンド。結婚を控えた女性の憧れでしょう。できるだけ綺麗なダイヤモンドを。できるだけ大きなダイヤモンドをと思うなら、ルース(ダイヤモンドの裸石)を買ってしまう手があります。一般の人に販売しているダイヤモンド業者もありますので、そのようなお店で石を買いましょう。その後、リングに仕立てます。仕立てにかかる予算は、デザイン次第で変わるので一概に言えませんが、ここでは、”最小予算”を前提に書いているので、ごくシンプルな下記画像のようなソリテールリングを仮定すると、ショップにもよりますが5〜10万位で可能でしょう。リングの型を持っているショップだと、その型を使うので安く出来ますし、手作りすると手間がかかるぶん高くなります。
また、ダイヤモンドをショップに渡す前に、鑑定書を取って、個体識別番号をレーザー刻印してもらう事をお勧めします。費用は鑑定書がだいたい1.5万円くらい、刻印が1万円位でやってもらえます。
ダイヤモンドを選ぶ際に大切なのは肉眼で見てどうかという事です。お店で色々見ていくうちに、わずかな違いにもだんだんこだわってきてしまうなんて事がありがちです。ですが、例えばカラーはDとE,EとFの差は普通の人はわかりません。けれども価格は大きく違います。
クラリティも同様に、肉眼で見て明らかな違いがわからない程度の差は気にしないくらいの方が迷いません。
ダイヤモンドの4Cで大切なのはカットです。ダイヤモンドがキラキラと輝くのは光を反射しているからで、より美しく輝く反射を作るのはバランスの良いカットだからです。
また、肉眼で見てどうか?という基準でダイヤモンドを選ぶ場合、カラットも大きく影響します。カラットはダイヤモンドの重さの単位ですが、わかりやすく大きさと言い換えると、カラットの違いは見た目の大きさに出てとてもわかりやすいからです。予算が限られているのなら、カット重視で選ぶ事をおすすめします。
ブランド重視で選ぶなら
婚約指輪はこのブランドのが欲しい。そう憧れている女性は少なくありません。もし、結婚相手の女性が憧れているブランドがあるのなら、その夢を叶えてあげて欲しいなと思います。実際、私の身内にも、憧れのブランドがあって婚約指輪はそのブランドのものを買ってもらった女性がいます。夢を叶えてもらいましたと嬉しそうに話していました。予算が限られている場合はダイヤモンドにこだわって選ぶならで書きましたがカットの良いダイヤモンドを選んで下さい。
オリジナル重視で選ぶなら
ブランドの婚約指輪だと、価格がだいたいどのくらいだったのかわかってしまうのが難点です。婚約指輪に値段が推測できるのはイヤだな、人とカブるのはいやだ。そう思う人はオーダーメイドでオリジナルの婚約指輪を作る事をおすすめします。オーダーメイドはひとつひとつお客様の要望にあわせてダイヤモンドを選び、デザインするので他の人と同じデザインになることはありません。また、ジュエリーデザイナーやジュエリー作家のアトリエ(個人の店)であれば、作り手に直接オーダー出来るため原価率が高く出来るので、結果として同じ予算でもワンランク上のダイヤモンドを使った婚約指輪を作ることが出来ますので、限られた予算で作る人にもおすすめします。依頼するアトリエを選ぶ時は、複数のサイトをみて自分の好みにあうアトリエを選んで下さい。
婚約指輪の予算・相場
さて、婚約指輪をできるだけ安く買う方法について書きましたが、次は結婚が決まったみんなの婚約指輪の予算や相場はいくらなのか調べたいと思います。婚約指輪を選ぶ時に予算をいくらにするか悩みませんか?ネットで検索すると30万円という数字が多くヒットしますが、果たして本当なのでしょうか?
みんなは一体どのくらいなのだろう?と気になっても直接聞くのは気が引けますよね。
そこで信頼出来る3つの統計から、現在の婚約指輪購入価格の平均相場を調べたいと思います。
もはや幻想??婚約指輪はお給料の3ヶ月分って。
婚約指輪の価格はお給料の3ヶ月分がめやすだってどこかで聞いた事ありませんか?
婚約指輪はお給料の3ヶ月分と言い始めたのはデビアス社で、1979年に「婚約指輪は給料の3ヶ月分が目安です」というCMが流れはじめました。子供だった私も、ダイヤモンドがキラキラ輝く指輪をはめて微笑む女性のCMを見てワクワクしていたのを思い出します。
この時代の日本は高度経済成長期を経て、バブル景気のはじまる7年前。国内の景気がよくなる兆しが出てきた時期です。これから上昇に向かう景気が、男性が婚約指輪を選ぶ基準にも影響を与えた事がうかがえます。
では、当時の3ヶ月分はどのくらいだったのでしょうか。
1979年のサラリーマン全体の平均年収は2,731,600円です。(出典元:年次統計)ボーナスを給与の4ヶ月分と仮定して月給換算するとサラリーマン全体の平均月給は約170,000円となります。これはサラリーマン全体の平均なので、結婚する若い世代になるともっと低くなります。大学卒初任給が109,500円です。ちなみに現代の価値に換算すると145,952円。(出典元:年次統計)入社数年後に結婚するのが一般的だったと考えて、この109,500円を元にお給料3ヶ月分を計算すると328,500円、現代の価値に換算すると437,856円です。
この金額を高いと思うか安いと思うかは個人差もあるところですが、デビアス社のCMを今見ると、男性が言うセリフ「3ヶ月分貯めたんだ!」がとても懐かしく感じます。どんなCMだったのか知りたい方は、Youtubeで”デビアス 給料3ヶ月”で検索して下さいね。
今の平均予算はいくらなの?
今の婚約指輪購入価格の平均はいくらなのでしょうか。
結婚するみんなが一体いくらの婚約指輪を買ったのか?それがわかる婚約指輪の価格に関するデータを紹介します。
ゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べから、婚約指輪にかけた金額についてです。
全国では「30~40万円未満」が28.8%で最も高くて、次に「20~30万円未満」が21.1%、「40 ~50万円未満」が12.6%で続きます。平均は35.9万円でした。
また、地域別に見ると「20~30万円未満」の割合が一番高い都道府県がいくつかありました。
このデータからは婚約指輪の単価は20~40万円未満がほぼ半数を占める結果となっています。
もう一つの婚約指輪の価格に関するデータ
ここでもう一つ婚約指輪の価格に関するデータをご紹介します。
矢野総研が調査したブライダルジュエリーの市場規模推移と予測2015 からです。
ダイヤモンドエンゲージリングの平均単価は 204,000 円(前年比97.1%)だった。円安の影響でダイヤモンドの輸入単価は上がったが、よ り小粒志向が強まったことと、ダイヤモンドエンゲージリングで使われるプラチナ価格が、 2014 年の平均 4,759 円から 2015 年は 4,205 円へと 11.7%も下がったことも影響している。(参考:田中貴金属工業小売価格)
この矢野総研の調査では婚約指輪の平均単価は204,000円です。
ゼクシィの調査とは金額がかなり違うのがわかります。なぜか?その理由は同じ調査書の中にあります。
なお「ゼクシィ結婚トレンド調査 2015」によると婚約指輪の全国平均単価は 34.0 万円で弊社調査と 136,000 円の乖離がある。これは同調査の対象がゼクシイの読者であり、夫の平均収入が 472.8 万円と中間層の上のクラスであるためと思われる。出典:ブライダルジュエリーの市場規模推移と予測2015
(先ほどのゼクシィ結婚トレンド調査2016の平均価格は35.9万円でしたが、この引用はゼクシィの2015年調査と比較しているので金額が違います。)調査対象の層の違いが数字の違いとして現れていると分析しています。
まとめると、いまどきの婚約指輪の購入価格の平均は、
矢野総研調べでは 204,000円
ゼクシィ 結婚トレンド調査2016調べでは 359,000円
です。この金額が婚約指輪の予算と考えてよさそうです。
という訳で平均予算はわかりましたが、みなさんはこの価格に近い婚約指輪を買いますか?
婚約・結婚の風習がなくなってきている現代では、結婚に関するモノ・コトは多様化していると考えられます。婚約指輪についてもその流れとは無縁ではいられません。ですから、これから婚約指輪を買うときは平均価格はあくまで参考にして、二人の価値観を大切に満足感のある婚約指輪を選んで欲しいと思います。当然、”婚約指輪は買わないでその分結婚指輪や他のモノ、コトにこだわる”という選択肢も十分あると思います。
結婚は女性にとっても男性にとっても人生の大切な出来事ですから、お二人の価値観を大切に、納得出来る婚約指輪を選んで下さい。「どうせなら、他にないこだわりの婚約指輪を作りたい。」と思う方は、オーダーメイドで婚約指輪を作る事も出きます。敷居が高いと思われているオーダーメイドですが、お一人おひとりの希望に合わせて細かい要望に応えられるのが良いところです。いちどぜひご相談下さい。世界に一つだけの婚約指輪をお作りします。
世界の婚約指輪デザイントレンド
世界には華々しい歴史を持つトップジュエラーがたくさんあります。その中から、婚約指輪を買うにふさわしい価値あるブランドをご紹介します。なお、画像は各ブランドのSNS(Instagram,Facebook,etc)からシェアしています。
世界の5大ジュエラー
まず始めに、世界5大ジュエラーとよばれる5ブランドからご紹介します。
HARRY WINSTON(ハリー・ウィンストン)
1932年にニューヨークで創業したハリー・ウィンストン。その歴史はまだ100年未満で、意外と浅いです。ハリー・ウィンストンの婚約指輪の特徴は、あたかもダイヤモンドだけで出来ているかの様に見えるセッティングにあります。
Cartier(カルティエ)
1847年パリにて創業。カルティエの特徴は時代を先取りするモダンなデザインにあると思います。歴史の中ではインドからインスパイアされたデザインの優れたジュエリーを生み出しています。それは現代の婚約指輪にも受け継がれて、他のブランドにはないモダンで切れのあるデザインが目を引きます。
TIFFANY & Co.(ティファニー)
1837年創業のティファニー。甘い香りを漂わせる柔らかいデザインは今も昔も変わりません。それがティファニーらしさであり、日本人女性に好まれる所以でしょう。
BVLGARI(ブルガリ)
1884年イタリアで創業のブルガリの作る婚約指輪は、ビー・ゼロワンや、ブルガリブルガリのシャープでボリューミーなデザインや、クラッシックさと個性のある装飾を併せ持ち、しっかりとしたボリュームがあるデザインが特徴です。中でもセルペンティシリーズで使われている蛇のモチーフはブルガリの代名詞と言っても良いでしょう。
Van Cleef & Arpels(バンクリーフ アンド アーペル)
1906年パリにて創業。自然を手本にしたデザインが多く、アルハンブラシリーズは日本でもよく知られています。自然のモチーフが持つ優雅な曲線をクラッシックなデザインの中に取り入れたヴァンクリーフらしさを感じる婚約指輪は優しさ、豊かさを感じます。
グランサンク
グランサンクと呼ばれるフランスの5大ジュエラーの婚約指輪をご紹介します。ちなみに、Van Cleef & Arpelsもグランサンクですが、世界5大ジュエラーで既に紹介しているのでこちらはVan Cleef & Arpelsを除いた4ブランドを紹介します。
CHAUMET(ショーメ)
1780年パリにて創業。シンプルなソリテールリングでさえも、どこかエスプリを感じるショーメの婚約指輪。アシンメトリーで流れのあるデザインとエッジの効いたラインが特徴で、ジョゼフィーヌシリーズはティアラをモチーフにした婚約指輪らしいデザイン。
MELLERIO dits MELLER(メレリオ・ディ・メレー)
1613年パリにて創業のメレリオ・ディ・メレー。日本ではあまり馴染みではないですが、今回紹介する中で一番歴史の古いジュエラーです。特徴は、繊細で精密な細工とその軽やかさにあります。リングの腕は重さを感じさせない細身のラインで、クラッシックな雰囲気がとても魅力的です。
Boucheron(ブシュロン)
1858年パリで創業したブシュロンは、キャトルシリーズに代表される精巧で美しい彫金技術が特徴のブランドです。その高い技術を持つブランドが作り出す婚約指輪もまた、そのフォルムや石留めの美しさが際立っています。
Mauboussin(モーブッサン)
モーブッサンは1827年創業。アール・デコスタイルを感じさせる存在感あるデザインが特徴で、作り出すジュエリーから漂う風格は婚約指輪も例外ではありません。
トップジュエラー
上記ブランド以外にも素晴らしいジュエラーが世界にはたくさんあります。そのブランドの婚約指輪をご紹介します。
Buccellati(ブセラッティ)
ブセラッティの特徴はなんといっても精巧なエングレービング技術です。その技術を使って作られた婚約指輪は他のブランドのものとは一線を画す個性を放ちます。
Pomellat(ポメラート)
イタリアを代表するブランドの一つのポメラート。グラマラスさとモダンさを併せ持ち、見るだけで楽しくなるカラーストーンのバリエーションが楽しいブランドです。婚約指輪と言えばダイヤモンドが人気ですが、ポメラートの高品質なカラーストーンから選ぶのも楽しいと思います。
Piaget(ピアジェ)
スイスの代表的なブランド。機械式腕時計のトップブランドでもあるピアジェの作る婚約指輪はその精巧な細工が特徴です。パヴェセッティングはダイヤモンドの質はもちろんのこと、留めの美しさが目を引きます。
ROYAL ASSCHER(ロイヤルアッシャー)
世界3大カッターの1ブランドであるロイヤルアッシャーの特徴は、やはりそのダイヤモンドの品質とカットにあります。ロイヤル・アッシャー・カットは、クラウン側25面、パビリオン側41面、ガードル8面の計74面のカットで構成されていて、最高品質のダイヤモンドが理想的に輝く様に考えてカットされています。
Chopard(ショパール)
ショパールの婚約指輪はメインストーンのバリエーションが豊富で好きなカラーやカットを選ぶ楽しさがあります。最近のレースを思わせる細かい細工のデザインはとても素敵です。
De Beers(デビアス)
ダイヤモンドの評価基準、4Cを考案したデビアス社。その4Cに加えて「FIRE」「 LIFE」「BRILLIANCE」(ファイヤー、ライフ、ブリリアンス)の3つをダイヤモンドを選別する指標としていて、「ファイヤー」は、幾多ものファセットに踊る光の屈折から生じる美しい虹色を、「ライフ」は、きらめき、手の上でダイヤモンドを動かすときに生じるシンチレーションや光のバーストを、「ブリリアンス」は、自然な透明感の事を言い、こだわって選ばれたダイヤモンドが使われています。
Graff(グラフ)
1960年創業と歴史は浅くとも、その存在感は大きいグラフ。その特徴は何と言ってもダイヤモンドへのこだわりです。原石の個性に合わせて一つ一つカッティング。ゴージャスでありながら上品なオーラを纏ったグラフの婚約指輪は、そのダイヤモンドに対するこだわりがあるからこそです。
2017年に“レセディ・ラ・ロナ”と名付けられた1109カラットのダイヤモンドの原石を購入したことでも有名です。
DAMIANI(ダミアーニ)
イタリアを代表するジュエラーのダミアーニは、イタリアンスタイルを最大限に表現することを信念としているブランドです。最高な素材を使って、独創的なデザインを創造し、精巧な作りで仕上げる。そうして完成された婚約指輪はどの角度からみても美しいです。
FURRER JACOT(フラー・ジャコー)
スイスで160年以上の歴史を持つフラージャコーの作る婚約指輪は、鍛造で作られる事が大きな特徴です。一般的な製造法の鋳造に比べて叩き鍛えられる貴金属は硬度が高く傷がつきにくく、つけ心地がなめらか。また使われるプラチナは950を使っています。(一般的に900が多い)。画像のエタニティリングももちろん鍛造。強さと美しさを兼ね備えています。
日本のトップジュエラーの婚約指輪トレンド
ウエダジュエラー
「引き算の美学 “less is more”」がウエダジュエラーの哲学です。西洋の後追いをするのではなく、日本に根付く美しいものを愛でる精神を大切にしたジュエリーを作るブランドです。素材に敬意を払って、無駄を省いてデザインされたジュエリーはとても繊細で、素材の美しさが際立ちます。
MIKIMOTO(ミキモト)
いわずと知れたアコヤ真珠のトップブランド。世界に認められた真珠を使ったジュエリーのセンスと技術力は婚約指輪にも生きています。JAPANブランドらしい洗練された美しさは現代のトレンドにもぴったりです。
婚約指輪を用意する
婚約指輪が出来るまでの時間
婚約指輪は、石を選んだり、二人の名前などを刻印するので、買ったその場で持ち帰る事は出来ません。また、販売形態によって、出来上がりまでかかる時間が違います。カスタムオーダーなら数週間という所もありますし、オーダーメイドだと数ヶ月かかる事もあります。予定していたお店で注文したら間に合わないので、しかたなく違うお店で買った。なんて事にならないように、婚約指輪が必要な日から逆算して注文しましょう。
婚約指輪を購入するショップ選び
婚約指輪を購入するショップは、上記の婚約指輪を賢く買う方法で書いた、大切にする価値の違いに応じて選ぶと満足度が高くなります。
ダイヤモンドを重視派
予算がたっぷりあるのなら、お二人のお好きなショップでとなりますが、限られた予算でも婚約指輪はダイヤモンドの質にこだわりたい。出来るだけ大きなもの。出来るだけ綺麗なものを。そう考えているのなら、予算内で最大限ダイヤモンドにお金をかける選び方を。それに一番あうショップは、ネット販売に力を入れているショップや街で営業している宝石店がおすすめです。ネットで実物が見れませんがダイヤモンドの鑑定基準である4Cをきちんとした機関で鑑定したものを扱っているので心配はいりません。
街の宝石店は、素材の質に対してお得な価格で販売している傾向があります。地元で長く営んでいる宝石店であれば信頼もありますから良心的な価格で販売しています。もちろん鑑定書も
ブランドを重視派
ブランドを重視する人なら、上記の婚約指輪のデザイントレンドを参考に好みのジュエラーを見つけて下さい。各ジュエラーで特徴があるので、いくつかブランド店を見て、比較してみると面白いと思います。
オリジナル性重視派
婚約指輪、人と同じはイヤ。そう思っている人はオーダーで作る事をおすすめします。KELENもオーダーメイドを得意としていますが、同様のアトリエも多くあります。ブランド毎にデザインの傾向がありますから、サイトを比較して好みに合うブランドを見つけてコンタクトとってみて下さいね。
参考、転載について
最後に、この記事を書くにあたって参考にさせていただいた書籍の情報を記載しておきます。ありがとうございました。
-参考文献-
浜本隆志 著『指輪の文化史』白水社
山口遼 著『ジュエリーの世界史』新潮文庫