レアストーンとはなにか
レアストーンとはなんでしょうか。漠然と珍しい宝石の事と考えられていますが、珍しい宝石とはなんなのでしょうね。ここでは、レアストーンの定義について考えて見たいと思います。
レアストーンの定義について宝飾、ジュエリー関係の書籍、サイトを色々と調べましたが、明確に基準を示すものは見つかりませんでした。(ご存知の方、いらっしゃいましたら教えて下さい!)
宝石についての記事で宝石の定義について
1、美しい事/色が美しい事、透明度がある事など
2、耐久性を持つ事/硬度がある事、衝撃に強い事、耐火性、耐薬品性など
3、希少性がある事/産出量が少なく、入手が困難である
の3条件が必要と書きましたが、ここにすでに希少性が宝石に必要な条件になっているので、レアストーンは単なる宝石とは違い、希少な石ですと言うだけでは定義になっていません。
世界にはレアストーンとしてオークションでコレクターがこぞって買い求めるような宝石が存在しています。その宝石たちを比べる事でレアストーンの定義が見えてくるのではないかと思います。そこで、定義の前に、世界のレアストーンを調べました。
レアストーンの種類
レアストーンを検索していると、選定の基準が曖昧で、独自の基準で選んでいると思われるサイトも少なくありません。ここでは、コレクターや博物館が所有している宝石の中から、レアストーンと呼ばれるものに限り選んでいます。
1,レッド・ダイアモンド
レッドダイアモンドでは、エドコラレッド(The Edcora Red)と呼ばれる5.71カラットのペアシェイプカットのものがが世界最大と言われていますが、この写真がなくコレクターの手に渡り一般に公開されていないため「失われた宝石」と呼ばれています。確認出来るもので最大なのはムザイエフレッド(Moussaieff Red)と呼ばれる5.11カラットのトリリアントカットのものです。ジュエラーのムザイエフ氏が購入し、今は夫人が所有していると言われています。
下の画像はムザイエフレッドダイアモンドです。ケープタウンダイヤモンドミュージアムのサイトからお借りしました。
2,グランディディエライト
スリランカ、ナミビア、マダガスカルなど世界の数カ所でしか発見されていない鉱物です。青みがかった緑色が特徴の鉱物で、中でも宝石と呼べる品質のものはマダガスカルでしか発見されず数が少ないため希少な鉱物として扱われています。
どの位希少なのかと言うと、宝石の鑑定鑑別機関であるバンコクGIAに、グランディディエライトの標本をいくつか鑑定に出し評価されたレポートには、GIA Notable Lettersと呼ばれる一部の特筆すべき宝石のみに付くレポートが追加添付されて「非常に高い透明度を持ち非常にまれ」と記載されていて、これはグランディディエライトが宝石の中でも特に貴重な種類である事を特徴付けています。モース硬度7~7.5 屈折率1.590~1.623 比重2.85~3.00
3、ジェレメジェバイト
ジェレメジェバイトは希少なホウ酸アルミニウム鉱物で、その中でも宝石質のものはごく稀です。最初はロシアで無色のものが産出されて、ロシアの鉱物学者Pavel Vladimirovich Eremeevを偲んで命名されました。
その後ナミビアで青いものが見つかりましたが、数が少なく、多くはコレクターの手に渡っています。
青緑色から青紫色までの色合いのものがあります。モース硬度は6.5~7.5 屈折率1.63~1.65 比重3.25~3.28
レアストーンの定義
さて、コレクターを熱狂させる3つの宝石をあげましたが、ここから見えてくる共通点を探してみます。
1、鉱物の中でも極端に産出量が少なく一部の地域でしか産出されない
2、色がほかの宝石とは違う色合いで美しい
3、カット出来る耐久性がある
の3つで、冒頭の宝石の3定義と重複しますが、その中でも、1の希少性が他の宝石と比べても際立っていることがわかります。また色味については、他の類似する色の宝石と絶妙に違う色合いを持っていて、透明度の高いものは類似色の宝石との違いが一目でわかり、その特徴が顕著に出ています。
この事から、レアストーンの定義をまとめると、
冒頭に書いた宝石の3つの定義を備えつつ、なおかつ
1、希少性においてその産出量と産出地が特に少なく、
2、色味において他の類似色鉱物と違いを有し、
3、カットに耐えうる硬度のもの
と言えます。
産出量については具体的な数字があげられたらより明確になるのですが、いかんせん、これからどのくらい産出できるのか未知数な部分が多く、具体的な数字はあげられませんでした。今後新しい情報を確認したら加筆したいと思います。
連綿と地殻活動を続ける地球上には、まだ発見されていない鉱物が眠っている可能性を否定出来ません。その中でも一握りの美しい鉱物がレアストーンとしてコレクターをこれからの熱狂させるのでしょうね。自然にはかないません!