ダイヤモンドとジルコン 勝負したらどちらが勝つか宝石の魅力を比べてみました

宝石の中でも誤解されることが多いジルコン。

先日は、混同されやすいキュービックジルコニア や代用品扱いされるダイヤモンドとの違いについて書きました。

“知らない人が多いダイヤモンドとジルコンとジルコニアとキュービックジルコニアとCZの違いの話”

キュービックジルコニアと名前がちょっとだけ似ているために人造石と思われていたり、高価なダイヤモンドの代わりに使われる事があるので偽物よばわりされたりと、ちょっと気の毒なジルコンの名誉挽回のために書いた記事です。

ジルコンはれっきとした天然石ですし、そもそもダイヤモンドの代用品として使われた一番の理由はダイヤと同じ様にキラキラと強く輝くからです。

美しく輝くジルコンはとても魅力的。きちんと評価されても良いのに、ダイヤも影に隠れて偽物扱いはかわいそうです。ジルコンだって、ダイヤモンドより魅力的な要素はあるんですよ!

そこで今日は、ダイヤモンドとジルコンの特徴を比べて勝手に勝敗を決めてみました。

ダイヤモンドとジルコン対決(勝手に)5本勝負!

人気度

まず人気度を比べてみます。人気をどうやって測るか?産出量?販売数?

より多くの人が探している=人気が高い

と言う事で、Googleで検索した時の検索結果件数で比べます。

単に”ダイヤモンド””ジルコン”で検索すると、宝石に関係のないコンテンツも含まれてしまうので、それぞれ”ダイヤモンド ジュエリー””ジルコン ジュエリー”で比較してみます。

ダイヤモンド
13,000,000件

ジルコン
1,520,000件

ジルコンジュエリーの8.5倍でダイヤモンドジュエリーの方が圧倒的な記事数です。ダイヤモンドは婚約指輪の宝石としてシェアナンバーワンなのでこの結果は当たり前かもしれません。

と言う事で人気度対決はダイヤモンドの勝ち!

とはいえ、ダイヤモンドの知名度と比べたらまだまだ知られていないジルコンも、これからグンと人気が出てくるかもしれませんよ。なぜなら、宝石の国という人気アニメに出てくるキャラクターのひとりがジルコンなのです。これをきっかけにジルコンに興味を持ってくれる人が増えて欲しいです!

硬度

硬度対決はモース硬度で比べます。

ダイヤモンドのモース硬度は10

ジルコンは7.5

ジュエリーに仕立てる宝石は、硬度7の水晶を基準にして、7〜10はジュエリーにしても問題ない硬さの宝石、7以下は柔らかい宝石と判断して、7以下の宝石はジュエリーにする時にデザインや留め方などに注意します。その点で、ダイヤモンドもジルコンも”硬さ十分”な宝石です。

また、宝石は硬いほどカットした時の面がシャープに出来ます。カットした面がシャープなほど、光が当たった時の反射がキラリと光ます。ダイヤモンドの輝きはその硬さが理由の一つなんです。

と言う事でジルコンより硬いダイヤモンドの方がシャープな面にカット出来るため硬度対決もダイヤモンドの勝ち!

ここまでダイヤモンドが2勝0負でリードしてますね。ジルコンの追い上げに期待しつつ3つめの勝負です!

屈折率

3つめは屈折率勝負です。

カットされた宝石の内部に入った光は面にぶつかるたびに折れ曲がって内部でなんども方向を変えてやがて宝石の外に出てきます、この事を屈折と言います。屈折率の数字が大きい宝石ほど鋭い角度で曲がります。宝石はその素材ごとに一番輝かせるために屈折率にあわせて適切な角度でカットされます。ダイヤモンドのカットで有名なブリリアントカットは、ダイヤモンドが一番輝く角度でカットされています。ジルコンのカットはブリリアントカットのパビリオン部(宝石の下部)に8面追加されていてジルコンカットと呼ばれています。

屈折率は

ダイヤモンド2.417

ジルコン1.925~1.983

ダイヤモンドの方が高くなっています。

けれども、、屈折率の高い2大宝石といって良いダイヤモンドとジルコン。他の宝石と比べてもジルコンの屈折率は高く、簡単に勝敗はつけられません。また、それぞれの宝石が一番輝く角度で、言い換えれば、それぞれの屈折率にあわせて一番効率よく光が屈折する角度でカットされるため、どちらも見た目はキラキラと綺麗に輝きます。

よって、この勝負は引き分け!

分散度

小学生の頃理科の実験で、三角柱のプリズムを光にあてて、七色に光が分かれる実験をした記憶がある人は多いと思います。この光が分かれる度合いを分散度と言います。宝石の中に入った光が屈折して再び宝石から外へ出る時に光がわかれて様々な色を見せます。これをファイアーと呼んでいます。

分散度は

ダイヤモンド0.044

ジルコン0.039

数字的にはダイヤモンドの方が大きいです。

けれど、屈折率と同じく、ジルコンもファイアーの強く出る美しい宝石の代表選手で、肉眼で見た限りではどちらがファイヤーが強いか弱いかわかりません。

そのためこの勝負も引き分けにしたいと思います!

ここまででダイヤモンドが2勝0負2引き分け。

まだジルコンの勝ちがありませんが、ジルコンにがんばって欲しい所です!

次は価格勝負です!

価格

宝石の価格は1カラッとあたりいくらという言い方をします。なので1カラットあたりの価格を比べたい所ですが、天然石の価格はそれぞれの個体の品質によって様々ですし、変動もあります。そのため単純に比べる事は出来ないのですが、現在、ジルコンは1カラットほどのものでダイヤモンドのだいたい1/100ほどの価格が中心なので、圧倒的にダイヤモンドのほうが高価だと言えます。

価値観を価格の高さにおけばダイヤモンドが勝ち、手の届きやすい値段である事に価値を置くならジルコンが価値という事でどちらに軍配をあげるか悩む所です。

筆者の勝手な考えでですが、硬度や屈折率、分散度などはほぼ互角のスペックながら、価格的に安いジルコンは、ダイヤモンドと比べてコストパフォーマンスに優れると言って良いのではないでしょうか?!

コスパに優れるジルコンが、この勝負の勝ちとします!

という事で、ダイヤモンドとジルコンの勝負は2勝1負2引き分けでダイヤモンドの勝ち!

けれど、宝石の王様、ダイヤモンドを相手に1つの勝ちと、2つの勝負で堂々と引き分けたジルコンは美しい宝石として実力十分です。

もし、魅力的なジルコンに出会ったのなら、ぜひその輝きを見てあげてくださいね。

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アートトリップマガジン 「風のかをり」

あえて知らない場所へ行き、まだ見たことのないその地から受ける刺激は新たな創造の種となってくれます。 その土地の気候、動植物、住む人たち、食べ物といったその場所の全てが作り出す空気感を私は「かをり」と呼んでいます。 たとえ徒歩で行ける場所でも、そこから何か刺激を受け取ったらそれは旅です。 距離の長短ではなく、日常とは違う、自分の人生をより良くしてくれる刺激を与えてくれる場所に行くことを私は旅と呼んで、そこから感じたかをりをお届けします。